文句なしの記念初制覇
清水が有言実行の記念初Vを地元で遂げた。
「今年初めに記念優勝をするって言ったからには、そのくらいの力をつけないと恥ずかしい」
9月の共同通信社杯でビッグ初優出で準V。10月の寬仁親王牌ではG1初のファイナルの舞台を経験し、脇本雄と真っ向勝負の先行策で見せ場をつくった。S級S班の桑原大が欠場を余儀なくされ、押しも押されもしない地元のエースとして大役を果たした。
「23年しか生きてきてないけど、こんな気持ちいいことはない」
先行態勢を取った鈴木に、8番手でタイミングをうかがっていた三谷が赤板2角から襲い掛かり両者の踏み合い。そこを目がけて単騎の山田がまくりを打つと、清水が俊敏に反応した。
「(先行争いになって、自分が仕掛けて)行こうと思ってたら、ヒデさん(山田)が来てうまくスイッチできた。(その上をまくって)乗り切った時は、松浦さんとの勝負だと」
松浦を置き去りにする強烈なダッシュであっという間に前団をのみ込んだ清水が、完勝のゴール。
「脚力的にすごく上がっているとか、練習でめちゃくちゃ強くなっているわけじゃない。練習とレースとの差がなくってきた。レースでしっかり組み立てられている」
地元記念でV賞金を上積みして、年末のグランプリ出場も視界に入ってきた。
「(優勝で)目標は達成できた。でも、グランプリに出たいし、チャンスもゼロじゃない。競輪祭は気持ちを引き締めていきたい」
今年2冠の三谷らを自力で破る価値ある優勝。成長を続ける清水の存在が、“新競輪祭”でのグランプリチケットをかけた6日間の戦いを面白くさせる。
7車身離された郡司が2着。
「山田さんより先に行けてれば…。(山田に)スイッチしてと思ってたら、清水がその上を行っちゃってたから」
「接触とかがあって怯んだけど、清水に離れてるんで」とは、3着の松浦。最終1センター過ぎから清水との車間が空いた。
「清水が優勝したから良かったけど、あれで郡司に抜かれてたら。僕も一緒に(清水と)進化をしていかないと」