S班の意地見せた
三谷竜生が直前の怪我で欠場し、地元のエースを欠いた近畿勢。さらに、参戦した地元勢も続々とV争いから姿を消した。それでも、唯一のS班、そして近畿の主軸として奮闘を続けた村上。最後まで主役の座を全うし、記念連続Vを果たした。
「(三谷)竜生がいなかったけど、なにがなんでも優勝するって気持ちではなかったです。まずは決勝に乗ってと。でも、(白星を挙げた)初日も自力を出さなあかん展開だったし、結果に満足しています」
決勝は優勝した1月松阪記念、白星を挙げた今開催の初日と同様、自ら動くことを選択。強力布陣を敷く北日本勢や、仕上がり良い原田に対し、キャリアの差で対抗した。
「ここ2年くらいは次のことを考えてやってきました。今回の決勝も流れの中で走ろうと。それこそ松阪記念の決勝も後方に置かれているし、目標を絞ってしまうと不完全燃焼で終わることもあると思って。組み立ても、いろいろ考えていました」
初手で中団の村上は新山の動きに合わせて踏むと、今度は北分断策を敢行。山崎から番手を奪い、懸命に逃げる新山をゴール前で差し切った。
「新山君が掛かっていて。原田君が飛んできていたら、何もできないなと思っていました。バック、3コーナーまでは脚が溜まらなかったですね。でも、これを逃すと優勝できないと思って無我夢中で踏みました」
4年ぶりにS班に返り咲いた今年は、2戦目の1月松阪記念を着。そして奈良記念も制覇し、すでに2Vと赤いパンツに相応しい成績を上げている。今後も一層自身を高めて、存在感を示していく。
「日頃の新しい練習がかみ合っているのが大きいですね。今の練習をして、もっと上を目指して。今年は記念で結果を出していきたい」
新山は、村上とのマッチレースに敗れて準V。
「粘るなら1度切ってから飛び付くと思っていて、その形になったらスピードを上げて主導権を取りにいく予定でした。調子が良かったし、あの展開なら押し切らないとダメ。まだ力が足りないことがわかった。もっと練習して力をつけないと」
原田は最終1センターから反撃を開始するが、3着までが精いっぱい。
「雨で全く前が見えてなかったです。1コーナーぐらいで踏んだけど、前は全然遠かったですね。今後はもっと状態を戻していきたい」