南潤が2度目のG3制覇
昨年4月の函館でデビュー後最速のG3優勝記録を更新した南潤。それから約11カ月、期待どおりの活躍とはいかなかったが、待ちに待った2度目の歓喜の瞬間が訪れた。
「函館の頃は上り調子だったし、勢いもありましたからね。それから負けて、コケたりして悪かったけど、この優勝でまた気持ちも上向きになると思います」
レース運びは落ち着いていた。流れをしっかりと見極め、隊列が短くなったところを全開で踏み込んだ。
「2車ですし、準決のようにバーンと行っても勝てる相手ではないですからね。慌てずに走ろうと思ってました。(中川)誠一郎さんが内に詰まっていたし、ここしかないって思って行きました。最後は村上さんに抜かれたと思いました。一番の敵は後ろの村上さんですし、村上さんを相手に逃げ切れたのは本当に自信になります」
S級S班の村上を振り切っての価値ある勝利で確かな手応えをつかんだ。1カ月後には松戸ダービーが控えている。
「今後の目標はG1の決勝に乗ること。G1で村上さんとワンツーできれば納得できる。この感じでもっと上げていければと思ってます」
脇本雄太の背中を追って近畿、そして輪界を背負って立つ日もそう遠くはない。
4角番手で絶好展開を迎えた村上博幸だが、交わせなかった。
「南がいい感じで仕掛けてくれたので、これは(優勝があるか)と思ったんですけどね。2コーナーで無理だと思った。初日に付きバテしたことで、強いイメージを引きずっていたのかな。でも、南がこういうレースをして勝って自信を付けるのはいいこと。それにしても今開催はキツかった」
単騎の吉田敏洋は近畿勢を追いかけたが、前の2人を抜く脚は残っていなかった。
「(近畿勢に)付いていって2コーナーでワンチャンスあるなって思ったけど、南君のスピードがよすぎて、すぐにこれは無理だと悟った。南君の強さが違っていました」
人気を集めた中川誠一郎は内に詰まって持ち味を発揮できなかった。
「(取鳥が南に)フタをしていたので、もっと一気に行くのかと思った。あのくらいの感じで来るなら突っ張ればよかったですね。詰まって終わってしまった」
誰よりも高いモチベーションでこの一戦に臨んだ地元の園田匠だが、4着に入るのが精いっぱいだった。
「もったいなかったですね。(中川と)2人とも脚を余して終わってしまった。地元だったんで、申しわけないけど勝負させてもらいました。地元じゃなければ待つところでした。アタマまで届きそうな手応えはあったんですけどね。今度は上のレースで(中川)誠一郎さんと連係を決めたいと思います」
取鳥雄吾はスピードに乗る前に南にいかれてしまった。
「取れた位置から行こうと思ってました。自分が一番、弱いですからね。力負けなんで、また練習して頑張ります」