三谷竜生が優勝で締める
3年連続のグランプリ出場を逃した三谷竜生にとって、S級S班そしてグランプリのチャンピオンユニフォームを着て走るのはこれが最後の開催だったが、最後の最後で意地を見せた。赤板過ぎに切って伊藤裕貴のカマシを受けた次点で流れは近畿勢に。2コーナーまくりで前団を飲み込むと、村上義弘とのゴール勝負を制した。
「他は(ライン)2車ですし、長い距離を駆けるのはないと思ってた。伊藤君が前を取ったので、(初手は)その後ろになったけど、先行でも出さすにしてもちょうどいい距離を残して切れた。(3番手になったが)詰まったら行くつもりだったので、自分の行けるタイミングで行きました。(かかりや踏み直しは)悪くなかったと思う。優勝できてるので」
今年はG1開幕戦の2月全日本選抜で落車すると、5月平塚記念、7月小松島記念でも落車した。「前半はちょっと落車があったりで、思うようにできなかったけど後半は徐々に徐々に(良くなった)」。9月のあっせん停止明け初戦の10月千葉記念で今年初優勝。寛仁親王牌では準優勝と後半戦は調子を取り戻していたが、3年連続のグランプリ出場は叶わなかった。
「今年最後のレースで来年はS班になれず悔しい思いのあるなかで優勝できたのは良かった。(来年はG1を獲ってグランプリ)そのつもりでいますし、頑張りたいですね」
来年のスタートは1月16日からの大宮記念。「しっかり練習して、しっかり結果が出せるようにしたいですね」。S班返り咲きへ、来年はスタートからを決める。
村上義弘は1車輪およばず2着。それでもS班として戦う最後のレースで三谷とともに意地を見せた。
「竜生も落ち着いていた。踏み直しがすごかったです。今開催は連日前が頑張ってくれた。今年最後のレースでワンツーだし、グランプリに出る弟(博幸)と近畿で脇本(雄太)も走るのでいい形でつなげられたと思う。常にまだまだできると思っているし、(来年は)いい意味で期待を裏切れるようにしていきたい」
近畿勢の仕掛けに続く形でバックから外に持ち出した渡邉雄太は3着まで。当所記念連覇はならなかった。
「初手がちょっと…。直前に伊藤さんがスタートを取るかなって思った。1回切ってそこから踏んでも長いと思ったし、三谷さんが駆けてくれればいいなって思ったけど…。あの展開なら仕方ないです。内へ行くことも考えたけど、外を踏んだらやっぱり止まりました」
渡辺十夢は準決勝同様に後ろから渡邉にかわされ、近畿トリオでの上位独占を逃した。
「いやあ、キツかったです。伊藤君が駆けて3番手という理想的なワンツースリーの態勢だけど、やってまったなあ…。雄太が後ろにいると、ずっとケツがかゆい。でも上出来です」
三谷、村上と人気を2分した原田研太朗だったが、最終バック8番手になってしまっては厳しかった。
「遠いっすね。スタートの位置は悪くなかったけど難しい。ジャン前2コーナーの行けそうってところでフワッとなって見てしまった。切らんとアカンですね、あそこは」