力強さが甦った三谷竜
今年の前半戦は落車負傷の影響で低空飛行が続いた三谷竜生だが、10月千葉記念in松戸で今年の初Vをゲットすると、寬仁親王牌の決勝は逃げて準V。タイミング良く仕掛けたレース勘、別線を沈黙させたスピードともに申し分なかった。その後も11月防府記念着の決勝は逃げて粘っているし、競輪祭は準決に進出していて、かなり調子を戻してきた。上昇カーブを描いているので、更に調子の上積みが見込めるはず。今年の最終戦をVで締めるとみて中心視した。三谷とタッグを組む村上義弘も今年はなかなか調子が上がらなかった。5月宇都宮記念で優勝したものの、ビッグレースでの優参はなく、勝ち切れないレースも散見した。しかし、12月佐世保記念では準決を快勝と兆しは見えてきており、三谷の仕掛け次第では勝機をつかむ可能性はある。また、12月佐世保記念で優参など上昇一途の野原雅也が加われば、近畿勢優位の流れは更に揺るぎないものとなる。
自慢のスピードに一段と磨きがかかった印象がある柴崎淳も有力な優勝候補だ。ここ5場所は21走して10勝、2着5回。Gレースで上位クラスの競走ばかり走って連対率7割超は高く評価できる。競輪祭の準決は、最終4角で接触するアクシデントがあって5着に敗れたものの、快速まくりを連発していてデキは素晴らしかった。豪快な一撃を決めてのV奪取は十分。最近の金子貴志は一息不足の成績だが、柴崎との連係が叶うようなら連食い込みが望める。
強大な勢力を誇る南関勢も好勝負が見込める。地元の渡邉雄太、簗田一輝に、岩本俊介、中村浩士の千葉勢。更に桐山敬太郎と自力型がズラリとそろっている。中でも期待がかかるのは昨年にこの大会を制している渡邉だ。今年はウィナーズカップ、ダービーで決勝に進出、サマーナイトフェスティバルはオール2着の準Vとビッグレースで大活躍。その後は優参こそないものの、寬仁親王牌着、競輪祭着と勝ち星は多い。南関勢が好連係を決めて渡邉が当所記念連覇を達成する場面は大いにあろう。デキの良さなら岩本も文句なし。切れ味抜群のまくりを主武器に好成績を残していて、12月別府記念では準Vと好走している。
勝率高い原田研太朗の一発にも警戒が必要だ。今年は2V含む43勝を挙げていて、勝率は4割超。12月別府記念の初日特選は上がり11秒2の快速まくりで浅井康、渡邉一、岩本らの強豪を撃破するなど調子も良好。仕掛けがツボにはまると単浮上も。
攻め口多彩な木暮安由も動き鋭い。寬仁親王牌、競輪祭とG1大会で続けて優参を果たしていて、しかも勝ち上がり戦はオール確定板入り。その後も12月別府記念は準決を1着でクリアと好調子を維持している。持ち味の自在戦が奏功すれば勝ち負けになる。
菅田壱道はあっせん停止で2カ月以上、実戦から遠ざかったが、復帰戦の12月広島記念を着。心配されたレース勘も問題なく、有力なV候補の一人となる。