• 第62回朝日新聞社杯 競 輪 祭 GⅠ11/18〜11/23

後記 GⅠ 小倉 11/18

郡司浩平がG1初制覇

郡司浩平

郡司浩平

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 「ずっと欲しかったG1タイトル、まずはホッとします。獲って出るの、そうでないのは、またグランプリも違ってくる」
 昨年、初めてグランプリに出場。S級S班は手に入れた郡司浩平だったが、タイトルに一番近い男と言われながら、なかなかタイトルには届かずにいた。今年は地元、平塚でのグランプリ。獲得賞金で2年連続のグランプリ出場に当確ランプをともしていたが、タイトルホルダーとして地元グランプリに臨む覚悟にブレはなかった。
 「今年は平塚なんで絶対に出るぞって。(G1に)優勝すれば出られる。(今年は)その思いだけでした」
 郡司の初戴冠をサポートしたの、同県の頼もしい後輩、4日目のダイヤモンドレースでも連係した松井宏祐だった。赤板の1コーナーで松井は迷いなく主導権取りに動く。松井の強烈なダッシュに和田健太郎は付け切れない。南関ラインの連結は崩れたものの、郡司は松井とともに出切って別線の反撃に備えた。
 「(松井は)どこで行くのかなって、ちょっとピリピリしていたんですけど。しっかり出切ってからも、アイツのペースで踏み上げてくれたので安心していました」
 和田をさばいた古性優作が3番手に入り、打鐘の4コーナーから今度は関東勢が反撃に出る。鈴木庸之が古性に横まで迫ると、郡司は自力にチェンジ。番手まくりを打った。
 「結構、(松井)宏佑も掛かっているところで、すかさず(鈴木が)来ていた。僕もヨコに振るのか、すかさずタテに踏むのかっていう迷いはあったん。ちょっと1回、動きを見て落ち着いてから、(最終)2コーナーの立ち上がりのところから行ったので、その分、最後は粘れたかなって感じです」
 鈴木は後退して、古性も郡司のダッシュに置いていかれる。が、今度は平原康多が抜群の加速力で郡司を射程圏に入れ、勝負は直線に持ち込まれた。体を並べてハンドルを投げてのゴール。確信がなかった郡司を後押ししたのは九州のファンだった。
 「ゴールしてお客さんの声援が一番僕にあったので、それで自分が勝ったんだと」
 3度制している“競輪祭男”を半車輪押さえた郡司が、念願のタイトルホルダーの仲間入りを果たした。
 「これがマグレと言われないように、タイトルホルダーの自覚をもって走ります」
 特別競輪(G1)に出場し名バイプレーヤーとして南関を支えた師匠でもある父、盛夫さん(50期、引退)が果たせなかったG1制覇を郡司が成し遂げた。
 「オヤジを越えるにはG1を獲ってからだなって思っていた。僕もそうですけど、オヤジも仕事以外の時は、僕の練習とかに付き合ってくれた。だから、ホッとしているんじゃないかなって思います」
3年前、平塚競輪場で行われたグランプリでは、あと一歩、10番目の次点で悔し涙を流した。あれから3年、濃密な時を経て郡司が地元グランプリの大舞台に立つ。
「3年前から悔しい思いをして、こうやってまたせっかくチャンスが来たんで、このチャンスをムダにしないように。悔いのないように過ごして、グランプリを迎えたい」

 最終2コーナーから自力に転じた平原康多が、ゴール前で郡司に詰め寄った2着。
 「古性に先に切られてしまって厳しくなりましたよね。チャンスだったんですけど、もういっぱいでした。ずっと外併走で苦しかった。古性を越えて、郡司まで見えたけどいっぱいだった。でも、今の力を全て出し切れたと思うので悔いはないです。本当に郡司が強かったんで」

 諸橋愛と古性がからみ、古性マークから直線で伸びた稲川翔が3着に入った。
 「1つでも上の着をっていう気持ちで走った(古性)優作のレースには納得しています。そのなかで僕も優勝を狙っていた。どっちかがグランプリに乗れれば良かったけど、力は出し切れました」

Race Playback

レース展開4
番手まくりを打った郡司浩平選手が押し切り初戴冠。平原康多選手がまくりで強襲するも2着、3着に稲川翔選手。

レース経過

誘導員 : 小川勇介

 号砲で飛び出した新田祐大、古性優作、平原康多の3人でスタート争いになり、結局、最内枠の新田が前を取る。2番手になった平原は鈴木庸之を迎え入れて、鈴木-平原-諸橋愛の関東ラインが2、3、4番手。古性-稲川翔の大阪コンビが5、6番手で、松井宏佑-郡司浩平-和田健太郎の南関ラインが後ろ攻めで周回を重ねる。 青板過ぎから松井が徐々に前との車間を空けはじめる。鈴木も後続を警戒して新田との車間を空けると、先に古性が動いて赤板の1コーナーで新田を押さえて先頭に。そこを松井が一気に叩いて2コーナーから先行勝負に出る。しかし、南関ライン3番手の和田は離れてしまい、古性が3番手を確保。後方になった鈴木は打鐘から追い上げて古性の横まで行くが、最終2コーナー手前から郡司が番手まくりで応戦する。同時に、鈴木の後ろから平原も自力に転じてまくり出し、徐々に郡司に迫って最後の直線へ。それでも郡司のスピードは鈍ることなく、そのまま平原を振り切って初タイトルをゲットした。2着に平原が入り、直線伸びた稲川が3着でゴールした。

ページトップへ