予想外の乱戦にも山口拳
戦前は4車そろった中部勢で決着かと思われた一戦だが、そうは簡単にいかなかった。稲毛健太-山田久徳が、中部の先導役の山田諒、初の番手戦となった山口拳矢の若い2人に襲い掛かって激しくモツれる展開。しかし、ひるむことなく戦った山口が最後は後続をブッ千切って、12月伊東に続き2度目のS級優勝も3連勝で決めた。
号砲が鳴ると、大外枠から山口が勢い良く飛び出し、1枠の山田久を制して正攻法の位置を取り切る。これで山田諒-山口-志智俊夫-金子貴志の中部勢が前団を占め、近畿コンビ、単騎の竹内翼は後方での周回となる。青板2コーナーで山田諒が誘導との車間を切って波を作り、近畿勢に揺さぶりをかけるが、全く動じず稲毛はバック手前から反撃に出る。3コーナーで稲毛は山田諒に並び掛けてモガき合いとなる一方、稲毛に口が空いてしまった山田久は志智をキメて中部勢に切り込んでくる。2センターでは山田久は内を掬って山口をドカしに掛かる。しかし、山口は激しく抵抗。残り2周では稲毛が踏み勝って先手を奪い、その後位に山田諒となるが、その3番手がモツれる。結局、山田久が山口を飛ばして3番手を奪取、4番手に山口で打鐘。3コーナーに入って山田久はさらに番手に追い上げて稲毛との再ドッキングを図るも、やや踏み遅れて山田諒をキメられない。そこに山口が内を突いて割り込んでくる。内に詰まった山田諒は後退していき、今度は稲毛の番手をイン山口、アウト山田久で取り合って最終ホームへ。この争いは1コーナーでバランスを崩した山田久が落車して終了。後続の志智、金子も巻き込まれる。しかし、このアクシデントにも動揺せず、番手単独となった山口は2コーナーからまくり発進。スピードが違った山口は、逃げる稲毛以下を瞬間で引き離して独り旅。そのまま2着に大差を付けて優勝を果たした。脚を使っていた稲毛、山田諒には余力がもうなく、落車を外に避けて大きく離れた4番手からまくった竹内が2着に入った。