今年4度目のG3制覇
2月の全日本選抜、3月ウィナーズカップの2度のビッグを含めて、今年の9場所すべてで決勝に進出。昨年11月の競輪祭で途切れた連続優出を再び続けて、松浦悠士が今年4度目のG3優勝を飾った。
「昔は上位クラスとは戦えないだろうって、気持ちで負けていた。それが(18年に)広島記念を勝って自分でも戦えるっていう気持ちになった。桑原(大志)さん、岩津(裕介)さん、柏野(智典)さんにも自信をもっていけと言われていた」
18年12月のG3初制覇から2年半足らずでの10回目のG3優勝。ハイペースでグレードVを積み重ねる松浦の進化が止まらない。
「ウィナーズカップが自分の調子の底だった。それでも(決勝で)3着っていう結果を残せたんで、力自体は去年より上がっていると思う」
前々回のウィナーズカップから調子を上げて臨んだ今シリーズでもあった。決勝は徳島コンビが固めて、中四国で4車のラインができあがった。赤板2コーナーでは先行態勢に入っていた山田庸平、3番手から郡司浩平も踏むが、清水裕友が最終ホーム手前で2つのラインをのみ込む。郡司のけん制もあったが、清水に続いて出切った時点で勝負あり。あとは松浦が別線との間合いは抜かりなく計った。
「(山田)庸平さんと郡司君と(清水)裕友のタイミングが重なって、かなりキツかった。後輪が滑った感じがあったけど、裕友に追いついた」
再度まくり上げる郡司を最終3コーナーで一発で仕留めると、盤石の態勢から追い込んだ。
「裕友も叩くのに脚を使った感じだった。郡司君は止まるかなと思ったけど、そのあとに脚をためた選手が来るかなと。それで勝ちにいくために、早めに踏ませてもらった」
後ろの小倉竜二を連れ込んでラインでのワンツー。次回、京王閣のダービーに弾みをつけた。
「裕友がいるのは心強いし、今回も来る前からすごい楽しみだった。それで結果が出せたんで良かった。優勝で(ダービーに)臨めるんで、気持ち的にスカッとしている」
3度目のタイトル、初のダービー制覇にこれ以上ないステップで迎える松浦は自信にあふれている。
飛び付いた山田庸との併走もあった小倉竜二だが、松浦とのゴール勝負に持ち込む2着。
「郡司君が来た時に松浦が一緒に踏んでくれたらチャンスだったけどね。1回振って踏んでいったので。先に踏んだけど横に並んだ瞬間に合わされましたね(笑)。余裕はあったんですけど松浦が強かった」
最終2コーナー過ぎに郡司のまくりに山田英明がスイッチ。岩本俊介は外に浮いたが、そこからコースを探して踏んだ佐藤慎太郎が3着に入った。
「俺も詰まっちゃった。あのまま岩本と一緒にバックを踏めば良かったのかも…。思い切り突っ込んだわけじゃなくて、コースを見ながらだったんで、あんなもんだと思う」
松浦のブロックで不発の郡司浩平だったが、シリーズの4日間をすべてラインの先頭で戦い、次のダービーへの手応えを得た。
「ジャンのところで1回切りたかったんですけど。ちょっと挟まれちゃって…。でも、1回脚を使ったわりに車が流れてくれたし、いい感じで行けたと思った。ただ、やっぱり(松浦と)脚力は変わらないので、あの展開になると厳しい。今回は自力でしっかりと戦えましたし、次のダービーに向けていい流れで臨めると思う」