中国黄金コンビが本線
好メンバーがそろったが、最も信頼性が高いのは松浦悠士だ。松浦の安定感は素晴らしいレベルで、昨年は準決で失格(3着)を喫した競輪祭しか決勝を外さなかった。今年も4月四日市G3まで8場所参戦しすべて決勝に進出。優勝も1月岸和田記念in和歌山、2月高松記念、3月玉野記念in広島と早くも3Vを達成している。仕掛けどころを逃がさないレース勘、スピードの切れ味などは相変わらず超一級品で、昨年の第70周年大会に続き今年も主役を務める。盟友・清水裕友も近況は申し分ない。全日本選抜着、3月玉野記念in広島着、ウイナーズカップ着と勝ちまくっている。中国黄金コンビの前後は流動的だが、どちらが前でも本線となる。
全日本選抜の覇者となり、暮れのグランプリ出走権を真っ先に手に入れた郡司浩平も有力な優勝候補。自力攻撃の破壊力は抜群だし、番手戦もそつなくこなしていて、今年の3月末までの連対率はジャスト7割。ウイナーズカップ着の決勝は目標の深谷知と共倒れに終わったものの、連日の動きは悪くなかった。好スパートを決めてのVゲットは十分だ。南関勢では岩本俊介も自慢のスピードを活かした自力勝負が冴えている。ウイナーズカップでは予選を連勝で準決に進出。二次予選は新山響の逃げをまくりで仕留めている。
地元のエース・山田英明は第68周年大会の覇者。全日本選抜では準決で失格を喫したものの、その後は3月玉野記念in広島、ウイナーズカップと続けて決勝に乗っていて堅実な走歴だ。昨年のこの大会は松浦が優勝し、郡司が準Vと遅れを取っただけに、今シリーズは雪辱を期して気合が入る。うまくレースの流れに乗って自力を出せれば好勝負に持ち込める。荒井崇博は地元記念には滅法強く、第58、60、64、69周年と4Vを達成している。ウイナーズカップでは敗者戦ながら2連対を果たすなど調子も上向きだ。中川誠一郎は大きな数字も目に付くものの、仕掛けがツボにはまった時の爆発力はケタ外れだ。2月小倉、3月別府で優勝、3月玉野記念in広島では1着と3勝を挙げている。豪快な一撃には注意しておきたい。
ウイナーズカップでは最終日に1勝を挙げたものの、伸びは今ひとつだった佐藤慎太郎。しかしながら、経験豊富なベテランなのできっちり修正してくるはず。どんなメンバー構成になっても、的確なコース選択と鋭い差し脚を発揮しての突っ込みには警戒が必要だ。
今年はなかなか優勝には手が届かない吉田拓矢だが、全日本選抜で2連対、ウィナーズカップでは初日特選2着などビッグレースでも存在感を示している。機動力を発揮なら怖い。3月名古屋着、4月福井は3連勝と快速を披露している野原雅也も侮れない。