守澤太志が5年ぶりの記念V
昨年、一気にブレイクして、今年は真っ赤なレーサーパンツで戦う守澤太志。S班としての責任感やプレッシャーの中でも堅実に決勝の舞台に上がり続けた結果、16年6月久留米以来、5年ぶりの記念優勝を果たした。
「何年も記念で優勝できてなかったですし、前回はマグレみたいな感じだったので、今回S班として優勝できてうれしいです。前回の優勝の時に新田(祐大)君にアドバイスをもらって、しっかりやっていこうっていう話をして、もう一回優勝するのに5年もかかりましたけど、成長できているのかなと思います」
初日特選から3日間、番手の仕事をきっちりこなして勝ち上がった決勝戦。前団のモガき合いを豪快にまくった郡司浩平の後ろから、直線鋭く伸びて差し切った。
「松浦(悠士)君があのタイミングでカマしてくるとは思わなかったけど、そのお陰で(山口拳矢と)モガき合ってくれました。(郡司の番手を)単独で回れたので余裕はありました。でもすごいスピードだったので、抜けるかどうかは踏み出すまで分からなかったです。最近は決勝には乗れているけど、決勝の成績が悪かったので、ここで結果を出せて良かったです」
あのころはアドバイスをもらう立場だったが、今では守澤にアドバイスを求めてたくさんの選手が寄ってくる。
「S班になってから、急にたくさんの選手にいろいろ聞かれるようになりました(笑)。それで自分も成長できていますね。今年の目標はどんな形でも良いので、とりあえずもう一回グランプリに出ること。(次走の高松宮記念杯も)厳しいですけど、まずはしっかり決勝に乗れるように頑張ります」
年末の大舞台に戻るために、今後も結果にこだわっていく。
最終2コーナー手前から冷静に前団を飲み込んだ郡司浩平が2着。
「モガき合いになったので、展開的には良かったですね。山口君もダッシュがあるし、松浦君を合わせていたので、下がってきてかぶる前に仕掛けました。最後は抜かれてしまいましたけど、直線勝負はできているので悪くはなかったかなと思います。今回で別府に良いイメージは付いたし、収穫もありました。次は宮杯なのでしっかり準備してまた頑張ります」
園田匠は、郡司を追うように仕掛けた北津留翼に勢いをもらって3着に突っ込んだ。
「松浦が踏んだ時に、ホームで(北津留)翼が前と口が空いてしまったのが大きいですね。その後は良い感じで踏んでいってくれたし、自分はずっと余裕がありました。2年連続で別府記念は3着で、ここは地元だと思っているので悔しさはあります。ただ九州勢も盛り上がってきたし、宮杯も頑張りたいですね」
打鐘の2センターから仕掛けた松浦悠士は、山口を叩き切れず9着に敗れた。
「力負けです。(山口)拳矢が意外と流さなかったですね。理想的な展開で出切ったと思ったんですけど強かったです」