• 宇都宮競輪場 第6回ウィナーズカップ3/18〜3/21

後記 GⅡ 宇都宮 03/18

4度目のビッグ制覇でウィナーズカップ連覇

清水裕友

清水裕友

決勝優勝写真
決勝優勝写真
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 「まさか優勝できるとは、思っていませんでした」
 4年連続グランプリで年末を終えた清水裕友は、22年の始動となった立川記念、続く豊橋記念と決勝にコマを進めていた。が、その後は3場所続けて優出を逃し、前々回の全日本選抜では二次予選で敗退していた。それだけにウィナーズカップ連覇にも、こう胸の内を吐露した。
 脇本雄太率いる中近勢に深谷知広。強力な別線を相手に中四国勢は、ラインの力で対抗。太田竜馬が脇本を後方に置いて、迷いなく打鐘の3コーナーからハイペースで風を切った。
 「太田君が気風良く行ってくれた。2日目に(町田太我、松浦悠士の)3番手で連結を外してしまった分もあるんで、そこだけはしっかり付いていってと思ってました。本当に前の2人の強さに尽きます」
 5番手の深谷、7番手の脇本はまだ動けない。それでも太田の思いをくんで、松浦が最終バック手前から番手発進。舞台は500バンクだけに、清水にとっては願ってもない展開だった。
 「ああいう態勢になったんですけど、連日、脇本さんのスピードとかもすごかった。まあ、飛んでくるんじゃないかなと。ゴール線で(自分が)1着ってわかったんですけど、本当にまさかですね」
 巡ってきたチャンスは逃さない。ゴール前で抜け出した清水が、右の拳を力強く握りしめた。
 連覇のウィナーズカップ。清水にとっては、昨年と同じくエンジンを点火するトリガーとなるシリーズだった。「正直、このままズルズル終わってしまうのかっていう思いもありました」の昨年は、この優勝で賞金を加算して獲得賞金での4度目のグランプリ出場。だが、その年末のグランプリのあとは、持ち前の闘争心がなかなかわきあがってこなかった。
 「正直、去年のグランプリを走り終わって、ちょっと気持ちが切れたところがあった。ズルズルいってたんですけど、前回の名古屋でこれじゃマズいなっていう危機感みたいなものも出た。まさかこんなに早く立て直して、優勝できるとは思ってなかった。またここから一生懸命できそうですね。本当にビックリしてますね」
 ラインの力でキッカケをつかんだ清水が前を見る。
 「いろいろかみ合えば、こうやって優勝できるっていうのもわかった。あんまり大きいことはいえないんですけどね。今回の優勝でまた気持ちを切り替えて、頑張りたいかなと思います。そう思えたんで良かったですね。まだまだ今年長いんで。ちょっと気持ちが切れやすいタイプなんですけど、1年間しっかり戦っていきたい」
 番手、3番手がともに2回ずつと異例のシリーズでもあった。取鳥雄吾、町田太我、太田…。松浦はもちろんのこと、仲間たちが清水のモチベーションにつながっている。

 松浦悠士は、太田の番手から最終バック手前で前に踏み込む。松浦の判断がラインでのワンツーを結実させた。
 「僕もキツかったですけど、あそこで出ないと(脇本に)いかれてしまうと思った。昨日のデキなら抜かれないかと思ったんですけどね。僕自身、仕上がっていました。やっぱり(清水)裕友が元気ないとさびしいですからね。全日本選抜も名古屋記念も一緒に決勝を走れなかった。昨日の感じだったら押し切れると思ったんですけど、裕友もしっかり調整してきましたね。でも、この優勝がキッカケになれば。(今シリーズは)僕自身、本当にラインの力が大きかったなって思いましたし、裕友も同じ思いだと思う。これからもみんなで頑張っていきたいですね」

 単騎の神山拓弥が中四国勢を追いかけて、深谷知広は車間が空いた5番手。直線で中国勢に詰め寄るも3着まで。
 「(最終)ホームで想定外の車間が空いてしまった。そこで脚を使ってしまった。もっと楽に回れていれば。成田(和也)さんが自分(深谷)が獲れるようにって言ってくれたのに、獲れなかったんで申し訳なかった。今回(4日間)は内容が伴ってなくて、最低限ですかね」

Race Playback

レース展開4
 清水裕友選手が、番手まくりの松浦悠士選手を交わして優勝。中国コンビのワンツーとなり、深谷知広選手が3着。

レース経過

誘導員 : 岡田泰地

 内枠の古性優作、深谷知広、成田和也が飛び出し深谷が誘導員の後ろを占めた。深谷-成田の即席ラインが前を固め、その後ろは脇本雄太-古性-浅井康太の中近勢。太田竜馬-松浦悠士-清水裕友の中四国勢が後ろ攻めとなり、単騎の神山拓弥が最後方。 ジャン前の2コーナーあたりから脇本が前との車間を空けはじめると、太田はバックで踏み上げて主導権を奪いに出た。太田はジャンの2センターで正攻法の深谷を交わして先頭に躍り出ると、松浦-清水に単騎の神山も続き、深谷は5番手まで車を下げた。脇本は7番手となり最終ホームを通過。太田はハイピッチで飛ばし、5番手の深谷は前と3車身、7番手の脇本は5車身ほど前と車間が空く。太田は緩めずに駆けたので後続の仕掛けはなかったが、最終バック線あたりから松浦が番手まくりを敢行。相変わらず深谷、脇本は仕掛けられない。松浦-清水、神山で直線に入ると、番手の清水が松浦を楽に交わして大会連覇を達成した。松浦が2着に粘り、ゴール前で神山を抜いた深谷が3着。

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