超豪華メンバーの競演
大会名の通り、選考基準には選考期間(21年7月~12月)の1位回数上位30名がある。ヤンググランプリ出走者もあって自力型が多い。勝ち上がり戦は熾烈を極めるが、現在の輪界は自力型全盛。過去の大会はSS班など実績上位選手が結果を出している。
主役を務めるのは古性優作とみた。昨年はグランプリを制した古性が全日本選抜で優勝。真っ先に今年のグランプリ出場権を獲得した。今年初戦の1月和歌山記念はやや動きが重かったが、一戦ごとに調子を上げていき、2つ目のタイトルゲットは見事という他はない。古性にとっては脇本雄太の参戦も追い風だ。2月奈良記念は4カ月ぶりの実戦だった脇本だが、結果は1着。中四国勢が5車で連係した決勝は力を発揮できなかったものの、勝ち上がり戦のスピードは群を抜いていた。続く同月大宮は実力の違いを見せ付けて3日間圧勝した。主導権さえ握れれば押し切りは十分で、第3回大会に続きV奪取も。
平原康多を重視する手もある。全日本選抜着、決勝は単騎だったうえにレースが単調な流れとなって見せ場を作れなかったが、連日の動きは申し分なかった。自分で戦っても優勝を狙える状態にある。地元の全日本選抜は二次予選で敗退した吉田拓矢だが、動きそのものは悪くなかった。平原に前を任されれば強気に攻める。
全日本選抜では準決で5着に沈んだ郡司浩平だが、積極的に仕掛けて主導権を握ったレース内容は悪くなかった。今年は初戦の1月和歌山記念で4連勝するなど、2月末までに早くも10勝をマークしている。この大会は記念すべき第1回(17年)にビッグレース初Vを達成したゲンのいい大会でもある。2V目ゲットの場面も大いにありそうだ。
松浦悠士、清水裕友の中国ゴールデンコンビも好勝負が見込める。この大会は両者ともにV実績がある。一昨年は清水の仕掛けに乗った松浦が優勝、昨年は松浦のまくりに乗った清水が制覇した。前後は流動的ながら連係実績は豊富。好連係を決めての中国コンビのVは考えておく必要がある。
新田祐大を佐藤慎太郎、守澤太志が盛り立てる北日本勢も怖い。競技では世界の舞台で活躍している新田のスピードは秀逸で、全日本選抜の決勝は3着ながら最終バックからまくり上げたスピードは際立っていた。好スパートを決めれば大会初Vも。
波乱を呼べば太田竜馬、原田研太朗、小倉竜二の徳島勢か。太田は全日本選抜では準決で勝ち星をゲットしていてスビートが光っていたし、原田は16連勝するなど自力攻撃が冴え渡っている。
順調さには欠けるが、昨年は共同通信社杯でビッグ初Vを飾った山口拳矢。完調ならSS班を脅かす。地元勢では3月名古屋記念で単騎ながら初日特選を制した眞杉匠に注目したい。すでにS級で5Vのスーパールーキー・吉田有希もどこまでやれるか目が離せない。