S班清水裕友が新年好発進
まさに完勝。5車結束の地元勢を力でねじ伏せた清水裕友が、ゴール後に右手を突き上げて新春初Vの喜びを表した。
地元5車の先頭の太田龍希が、打鐘から突っ張ってハイペースの流れ。番手の宿口陽一は、後ろの仕掛けを待たずして最終2コーナーから番手まくりに出る。地元作戦を小細工なしで受けて立った清水は、圧巻のスピードでその上をまくり上げた。
「前受けが嫌だったし、(中団から)様子を見て行こうかなと。落ち着いて見れましたね。(宿口が)番手から出る、出ないは関係なく、緩んだら仕掛けようと思ってました。前がどこで番手から出たかも分からなかったし、自分の中では一番良いところで仕掛けられました」
平原康多に仕事させないスピード差でまくり切って、3コーナーではすでに先頭。セーフティーリードを保ったままでゴールした。
「(地元勢を)のみ込むことはできるなって思った。でも、後ろの状況とかは分からなかったし、ゴールまでは無我夢中で踏んでました」
地元記念6連覇を達成した昨年11月防府記念in玉野以来10回目のG3優勝。地元で無類の強さを誇る清水だからこそ、強力布陣を敷く地元勢にはもちろん警戒していた。地元勢の意地と真っ向勝負して勝ち取った優勝は、かなりの値打ちがある。
「記念は防府でしか優勝できないと思ってた(笑)。よそで優勝できて良かった。相手が強力だったんで、開き直れましたね。それと、初日に深谷(知広)さんを相手に仕掛けられたのも大きかった。精神的なところが大きかったですね」
昨年最終戦のグランプリは、ラインを組んだ松浦悠士が制したものの、自身は脚を余した状態で勝負権を失った。この優勝で気持ちのリセットはできただろう。だが、グランプリの悔しさは、グランプリでしか晴らせない。
「地元はまた別なんで、久々に記念を優勝したような気がする。一発目でモヤモヤを発散できて良かった。(一年間の)途中でダラダラしちゃうんで、今年は一年間続けて活躍できるように。今年はグランプリに行って、そこで勝負したい。気を引き締めて頑張っていきます」
SS班に復帰して迎えた新年を、最高の形でスタートさせた。赤いパンツを1年ぶりに身にまとい、このまま年末までノンストップで駆け抜ける。
宿口から清水に切り替えるようにして追い込んだ平原康多が2着。大宮記念10度目の優勝は叶わなかった。
「想定内のレースの形でした。(宿口)陽一も良いところで仕掛けてるけど、その中であのスピード差で行かれた。すごいなって感じでした。(地元ラインの)5人とも力を出したと思うし、内容には納得しています。それでも、(ラインから)優勝者を出したかったし、悔しい気持ちでいっぱいです」
周回中に8番手となった北津留翼は、打鐘で突っ張られてもう一度8番手に戻って態勢を立て直す。バックからまくり追い込むも、3着が精一杯だった。
「車番的にもきつかったですね。誘導を切るのもきつかった。清水選手と、宿口選手でもうちょっともつれるのを期待したけど、清水選手がすんなりと出切っちゃったんで。あれで自分の勝ち目がなくなった」