新春を飾る超豪華メンバー
新春を飾るにふさわしい健脚によるV争い。狙いは絞りにくいが、底力はやはり脇本雄太が最上位だろう。オールスターで落車し、「自分の競輪人生の中でも類を見ないぐらいの大きなケガだった」と振り返るほどのダメージを負ったが、2カ月半の長欠から復帰後は11月四日市記念、競輪祭と危なげなく決勝に進出。23年はビッグレースでの優勝こそなかったものの、G1で4回優参、G2では準V2回でグランプリの出場権を手中に修めたのは、輪界第一人者の証だ。いつも通りの豪快な仕掛けで別線をねじ伏せる。三谷竜生が脇本とタッグを組む。11月四日市記念の初日特選では、脇本の逃げを差して連独占を決めている。踏み出しを凌げば近畿ワンツーは有力。
関東勢は充実のラインナップだ。23年はオールスター、競輪祭と2冠を達成した眞杉匠、当所記念では9Vを達成している平原康多をはじめとして、武藤龍生、森田優弥とそろっている。中でも昨年の眞杉は一段と飛躍を遂げた。G1での2Vを含め、9Vを飾っている。勝率も一昨年の30%から43%にアップした。5月宇都宮記念、オールスターは関東連係を奏功させての優勝だっただけに、ここは関東のエースとして強気に攻める。11年連続となるSS班は成らなかった平原ながら、素晴らしい実績を残しているこの大会なら評価を下げる必要はあるまい。昨年は不本意な成績に終っただけに、巻き返しに闘志を燃やす。4日制の記念で同一大会10Vの金字塔を打ち立てるか。昨年の武藤はオールスター決勝3着など、成績を高いレベルでまとめた。まだG3では優勝に手が届いていないだけに、そろそろという気持ちは強いはず。関東勢がレースを掌握なら怖い存在となる。
連係実績が豊富な松浦悠士、清水裕友の中国ゴールデンコンビも好勝負が見込める。昨年の松浦は落車もあり、年間を通して順調とは言えなかったが、ウィナーズカップ、サマーナイトとG2で2Vを達成し底力を示した。12月別府記念の決勝で落車したものの、軽傷の模様で体調に不安はない。清水はダービーで準V、オールスターは決勝4着などG1で好成績を残しているし、防府記念で6連覇を達成したのは見事だった。グランプリ2023は清水が前で戦うが、前後は両者のデキとメンバー構成次第か。
6年ぶりにSS班カムバックを果たした深谷知広の単にも魅力を感じる。昨年は共同通信社杯で、14年のサマーナイト以来となるビッグVを飾るなど、8Vと充実していた。この大会は昨年の覇者。好スパートを決めての連覇は大いにありそうだ。
昨年はG3で3Vを飾った浅井康太も侮れない。ここは中部の自力型は手薄だが、6月大垣記念を単騎戦で制している。
仕掛けがツボにはまった時の北津留翼の一発にも注意したい。相変わらずスピードの切れには素晴らしいものがある。