冷静に立ち回った松浦悠士
「(取鳥)雄吾の頑張りに尽きると思いますし、地元で番手を回していただいた岩津さんもいましたし。2人のおかげっていう方が大きいですね」
今シリーズはここまでもすべて番手回りのレースとなるなか、オール2着での決勝進出となった松浦悠士だが、修正力の高さを示した。
「出脚自体は高松(記念の決勝)よりも良かったですけど、最後はタレましたね。でもしっかり岩津さんがついていてくれたので。ラインで決められたと思います。準決勝とは乗り方も変えて、うまく体を使えたと思います。ここのサマーナイトを優勝したときに近いイメージで乗れたと思います」。
決勝は初日特選では別線勝負となった地元の取鳥雄吾に前を任せての一戦。打鐘から巻き返しを狙った眞杉匠を出させることなく、ハイペースでピッチを刻む取鳥の気迫を一番近くで感じ取っていた。
「(初手は中団からで)一番理想的な展開かなって思ったんですけど、ジャンで眞杉君が中団に収まったのでまずいなって。でも1人で来てくれましたし、雄吾も頑張ってくれたのでぼくと岩津さんにチャンスがきたのかなって。雄吾が入るのか合わせるのかを見ていたんですけど合わせ切ったので。本当に熱い走りをしてくれましたし、バックが向かい風だったので、来られる前にいかないとなって」。
当所は70周年記念大会での優勝もあり、第18回サマーナイトフェスティバルを制した相性良いバンク。さらに現在は広島競輪場が改修中で、時間を見つけて練習にも来ているバンクで、ファンの声援が後押しとなった。
「本当にここはいつも地元と変わらない応援をしてくださるので、地元と変わらない力だったりパフォーマンスは出せたと思います」
次走は取手で行われるウィナーズカップ(G2)。昨年の大会を制している相性良い舞台だ。だが、決して気を緩めることなく脚力向上に努めていく。
「(このあとは)変わらず新しい(ウエイトトレーニングなどの)練習を続けて。きついメニューですけど、ダービーに向けて追い込んでいきたい。今回はラインの力で勝てましたけど、自分が先頭で勝てるのが望ましいことだと思っているので。これで満足せずG2、G1で結果を出せるように頑張っていきたい」
準決で番手まくりを放った松浦悠士を差し切っている岩津裕介。決勝も松浦の背中を追い掛けながら63周年大会以来、4度目の地元記念制覇を目指して力いっぱいペダルを踏み込んだが、2分の1車輪差で準V。
「(前2人が)頑張ってくれましたね。(決勝は折り合って3番手回りとなったが)松浦君を信頼してるので。いまは広島が使えないですし、ここは地元みたいなものですからね。(初手が中団からで)僕達にとっては一番良い展開で、理想の形にはなったんですけど。さすが眞杉君は強かったですね。(眞杉が)1車だったのは分かったけど、当然、平原君がついてくる想定でいましたし、対応できるようにと思っていたら脚力も使っていましたね。(松浦が自力に転じて仕掛けたが)待っていたら詰まってしまうので。自分も多少、余力はあったんですけど、やっぱりもう一つスピードが上がっていきました、さすが松浦君でしたね。昨日とは違うレースでしたし。中々、地元記念を走られせて貰うのは当たり前のことではないですし。4日間良い緊張感で走れました」
初手で後ろ攻めとなってしまった山口拳矢。赤板で切って中国ラインを出させていい形になると思われたが、隙が生まれてしまった。自力に転じた松浦-岩津について行きながら最終2センターで外を踏み込むも3着まで。
「後ろ攻めになっても(展開は)回ると思ったが、前の方が良かった。(眞杉が)突っ張るふりかなと思ったので、しっかり切ってからって感じでした。ジャンのとこで空いていたので、(眞杉に)入られてしまった。脚的にも差せないかなと思った。(シリーズ振り返って)気持ち的にも良いレースができたので、この気持ちを切らさずにやっていきたい。勝つ感触が久々にわかったので。勝ち方を忘れるとなかなか勝てないので。(今年の)後半戦に向けて上げていきたいですね」