快進撃が続く清水裕
SS班4名が優勝争いをリードするが、最も勢いがあるのは清水裕友だ。今年は1月大宮記念でVスタートを決めると、同月川崎記念は準V。更に2月静岡記念で早くも2V目をものにすると、G1初戦の全日本選抜では準V。ここまで決勝はオール連対の快進撃を続けている。総合力では圧倒的優位に立っていた強力本線に対し、力勝負を挑んでいるだけに、成績はもちろん、競走内容も高く評価できる。この大会ではまだVはないものの、昨年11月防府記念in玉野では4連勝していて、バンクとの相性もいい。優勝に一番近い存在とみた。昨年のグランプリチャンプ・松浦悠士を重視する手もある。今年は1月大宮記念を病欠し、同月川崎記念から走りはじめて❸着と4日間確定板入り。全日本選抜は二次予選で敗退も着と2勝をあげていて、十分に戦える状態だ。この大会は70周年を制した実績もある。清水とは連係実績が多く、気心が知れている間柄なので、好連係を決めての中国ワンツーは大いにあろう。岩津裕介、取鳥雄吾、隅田洋介らの地元勢は意地を見せたい。岩津と取鳥は全日本選抜の3日目に連係していて、取鳥の仕掛けに岩津は付け切れなかった。岩津は競輪祭で落車した影響があるのか、今年は昨年後半戦ほどの安定感はないが、取鳥は自力攻撃が冴えている。全日本選抜では着と3回確定板入り。昨年の防府記念in玉野の決勝では、犬伏湧に取鳥、清水、松浦の並びで続いて中四国ラインを形成している。中国勢の並びはメンバー構成次第だろうが、圧倒的な戦力を誇っているのは間違いない。
昨年は一段と飛躍を遂げた眞杉匠も有力な優勝候補。オールスターでタイトルホルダーの称号を得ると、競輪祭では早々と2V目を手中に修めている。グランプリも3着と順調そのものだったが、1月に練習中に落車し、鎖骨を骨折するアクシデントに見舞われた。復帰戦の全日本選抜は着。二次予選以外は大きな数字となったが、動きそのものは悪くなく、状態の不安を一掃している。同県の長島大介をはじめ平原康多、森田優弥の埼玉勢、吉田有希と関東勢も駒数は豊富。眞杉が首位に躍り出る場面は考えておきたい。
昨年はダービー王に輝いた山口拳矢だが、オールスターで落車した後半戦から一息不足の場所が続いている。なかなか本来のスピードの切れが戻らない印象だ。中国勢、関東勢に比べると、中部勢はラインの総合力でも見劣りするので、厳しい戦いを強いられそうだ。
一発の魅力を秘めているのは北津留翼。1月大宮記念❸着では軽快な動きを披露していたし、全日本選抜は一次予選、最終日選抜戦でいずれもまくって2着に入っている。十八番のまくりは相変わらず威力抜群。展開がもつれるようなら豪快な一撃を見舞う。