• 第33回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント10/17〜10/20

後記 GⅠ 弥彦 10/17

連覇で8度目のタイトル

古性優作

古性優作

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 やはり一筋縄ではいかなかった。唯一、3車のラインができあがった近畿勢。古性優作に1番車が用意されて、ラインの厚みを生かした2段駆けの布陣。そんなシナリオを別線は許さなかった。
 「寺崎(浩平)君もだし、脇本(雄太)さんも頑張ってくれたんですけど、相手もすごく上手だった。新山(響平)君も、郡司(浩平)君もすごかった。なんかちょっとこう複雑な感じがしますね」
 2日目のローズカップと同じ3人でのライン。同じ轍は踏めない寺崎が、赤板で迷いなく新山を突っ張る。が、浮いた新山は下げることなく脇本と併走。渡部幸訓に先に降りられた古性は、外から脇本の後ろに追い上げた。
 「(突っ張りは)寺崎君がそうしたいって感じだった。寺崎君のダッシュがすごくて、ちょっと車間が空いた。それで外からう回して合流しようと。そこは迷惑を掛けたなって」
 果敢に風を切る寺崎の後ろが併走になったが、渡部をキメた古性と同じタイミングで脇本が番手を死守。近畿3人が単独でつながったのもつかの間、今度は郡司が襲い掛かった。
 「郡司君が脇本さんを押し込んだ時に、脇本さんが寺崎君の内に行っちゃって踏むところがなくなった。そこを自分が外を踏む感じだった」
 郡司に当たられた脇本が、寺崎の内に差し込んで万事休す。近畿勢全滅がよぎったが、古性が瞬時の判断で郡司の後ろに切り替えた。
 「僕も(その前に)う回していたんで、脚を使ったのもありますし、佐々木(悠葵)君が来たのはわかった。そこを1回張ったんですけど、乗り越えていくような感じだったので、負けパターンに入ったなって」
 前団をとらえた郡司に続いた古性に、今度は単騎の佐々木がまくりで迫る。最終バックでブロックしたものの、佐々木は止まらない。が、その佐々木を郡司が阻む。古性は瞬時の判断でハンドルを引っこ抜いて、内に狙いを定めた。
 「内を踏むっていうのは、100%頭になかった。外を踏むことしか考えてなかったんで、自分でも良く反応したなって。勝手に体が動いた」
 古性にとっては自然体な立ち回りも、誰にも真似できない芸当。もう古性をさえぎる物はなく先頭でゴール。寬仁親王牌連覇を果たした。
 「ダブルグランドスラムをしたいけど、まだまだ足りない。あとは日本選手権と競輪祭を獲らないといけないんで頑張りたい」
 8月のオールスターに続くG1連覇。これで全日本選抜、高松宮記念杯、オールスター、寬仁親王牌のタイトルが、それぞれ2つで通算8回のG1優勝。まずはグランドスラムに王手をかける競輪祭Vで、2年連続の年間G1優勝3回を成し遂げよう。

 最終ホーム手前で郡司は新山の内を踏んだが、小原太樹は外を踏んで加速に遅れる。郡司後位への古性の切り替えを許して、小原は古性を追走。直線で最内を踏んで伸びた。
 「(最終)ホームで見てしまって、連結が外れてた。そこが改善点。みんないい勢いで来ていて、ちょうど古性君の後ろに入って付いていっただけです。なにもしていない。(あれで古性を抜くのは)キツいですね。(G1決勝で好成績を残していて)めっちゃいいんですよね。自然体で走ることができている。次はテッペンを獲れるように」

 河端朋之は、最終ホームで9番手。同じく単騎の佐々木のまくりを追いかけたが、2センターのあおりで外に振られて立て直すも3着まで。
 「佐々木君が(仕掛けたのが)見えたんで、追いかけていった。ただ、古性君、郡司君のあおりがあっていっぱいだった。それでも佐々木君の1車はとらえられるなっていうのがあったんで、佐々木君がどこまで行けるかでした。古性君が内に行ったんで、そうなったら厳しい。でも、なんとか3着に入れたんで、やった方ですね」

Race Playback

レース展開4
 古性優作選手が、郡司浩平選手の内から抜け出して優勝。小原太樹選手が2着に入り、単騎の河端朋之選手が外を伸びて3着。

レース経過

誘導員 : 柿澤大貴

 最内枠の古性優作がスタートで飛び出して誘導員を追う。道中は、寺崎浩平-脇本雄太-古性優作、郡司浩平-小原太樹、佐々木悠葵、新山響平-渡部幸訓、河端朋之の並び。 青板から寺崎が誘導員との車間を徐々に空けて後方の動きを警戒。赤板を目掛けて寺崎と、後方から上昇した新山が同時にスパート。新山は1センターで寺崎に合わせ切られるが、寺崎の後位で脇本と併走。渡部が3番手に入り、踏み遅れた古性は外から3番手に追い上げる。打鐘3コーナー過ぎに脇本が新山をさばいて、古性も内の渡部をキメて近畿3車が再ドッキング。そこを4コーナー手前から郡司が浮いた新山の内を通って仕掛けると、反応が遅れた小原は古性の後ろに入る。郡司は脇本との併走を乗り越えて、2コーナーから再び加速し寺崎を捕らえ、郡司の後ろに古性が切り替えて、小原が古性を追う。神奈川勢の動きを追う形から佐々木がバックで一気にまくり上げていくが、3コーナー手前で古性のけん制を受ける。さらに2センターでは郡司が自ら佐々木を大きくけん制すると、古性が空いた内を突く。4コーナーで頭一つ抜けた古性が後続の追撃を振り切って大会連覇となるV。郡司と連係は外したものの、古性に続いた小原が2着。佐々木のまくりに乗る形から大外を伸びた河端が3着。

ページトップへ