後記 GⅢ 青森 09/03
今シリーズは90期後半、そして100期台の若手機動型が大活躍した。
地元の箱田優は初めての記念準決勝に勝ち上がると、準決勝3着で決勝にまで勝ち上がった。
「S級に上がってからずっと自転車で悩んでたけど、少しずついいほうに行ってると思う」
決勝戦は消化不良のレースに終わったが、「経験になったはず」と同乗した北日本の選手たちは箱田をフォローした。3日間で得た自信、そして最終日の悔しさをバネに飛躍してほしい。
戸田康は度重なる鎖骨骨折でS級に上がってからの1年間は苦戦していたが、「1カ月くらい前から練習の感じは戻っていた。それがようやくかみ合った」。連日の積極的な仕掛けは今後の可能性を大いに感じさせた。
窓場千は7月四日市記念に続いて最終日は特別優秀戦を走った。
「四日市で最終日に武田(豊樹)さんと走れて自分の中で何かが変わった。もっとスケールが大きくなりたい」
杉森輝は連対こそなかったが、記念で初の準決勝に進出。準決勝も4着とあわやの成績を残した。
「まだ力不足ですね。もう少し力をつけないと。でも足りないところは見えてきたので、もっと底上げしていきたい」
実力者らしく、平原康は右手首、成田和は左鎖骨の骨折からの復帰戦で決勝進出を決めた。
「走ってよかったと言える開催にしたい」と前検日に話していた平原は日に日に状態を上げ、準決勝では位置を取って仕掛ける平原らしい走りで快勝。「自信になる」とオールスターへ確かな手応えをつかんでいた。
まだ完調には遠い成田だが、「体調はいい」とキッパリ。「(課題は)タイミングとか間合い」とレース勘さえ戻れば、復調は早そうだ。
なお、最終日9Rに開催されたケイリンエボリューションはナショナルチームの渡邉一が力の違いを見せて優勝。「違った意味で緊張感があった。この後はナショナルの合宿なので疲れを残さず松戸でもスピードあるレースをしたい」とオールスターへ弾みをつけた。