今年も主役は新田祐
昨年の64周年記念では、北日本勢から5人が優出。ラインは2つに分かれ地元地区3人と別線になった新田祐大が、追い込みで優勝を遂げた。連覇の期待がかかる新田が今年も中心になるが、佐藤友和、早坂秀悟、内藤宣彦らの勝ち上がり次第では昨年同様に別線も考えられる。ダービー王に輝いた3月以降も新田は順調に白星を積み重ね、すでに昨年の22勝を上回る勝ち星をマークしている。組み立て面での甘さは残るものの、それを補って余りあるだけのパワーとスピードを持ち合わせる。8月京王閣F1着が、落車から復帰となった佐藤。準決では初日にバンクレコードを叩き出したパーキンスの猛襲を振り切ってまくりで白星。上々の動きを見せただけに、上積みを持って地元戦に臨んで好勝負を演じよう。
深谷知広は8月豊橋記念を着。地元シリーズは未勝利に終わったが、フレームを変えた3日目以降から動きが一変。決勝では懸命に突っ張る佐川翔を8番手から瞬く間に叩いて、驚愕のタイムで主導権を奪取。さすがにゴール前は失速したが、完調を思わせるには十分の内容だった。一昨年の当所記念ファイナルでは金子貴と師弟ワンツーを飾った好相性のバンクなら、躍動する深谷の姿が見られそうだ。
近畿勢を担うのはやはり村上義弘だ。近況は戦績も含めてやや波がある村上は、7月四日市記念を着。水谷好宏に前を任せた準決以外の3走は、すべて主導権を握って出る積極的な走りで存在感をアピールした。今シリーズは水谷、三谷竜生らの機動タイプもそろい、番手での立ち回りが濃厚とみる。いかなる場面でもあきらめない村上が強い思いでV争いに加わる。
一方、平原康多、神山雄一郎のSS班2人を擁する関東勢だが、平原は練習中に手首の骨折に見舞われるアクシデント。戦力ダウンは否めない。
佐藤と同様に京王閣F1が落車からの復帰戦となった中川誠一郎。決勝こそ不慣れな外国人選手マークで大敗を喫したが、初日特選、準決とまくりで上々のスピードを見せた。順調ならタイトルに手の届くところまできている中川だけに、スピード決着になれば別線を圧倒するシーンも十分だろう。
郡司浩平、岩本俊介と、F1ながらも好成績を収めている2人がいて南関勢も侮れない。