平原康、武田豊が最後までシリーズの流れを譲らなかった今大会。対照的に地元勢は２年連続でファイナリストを出せなかった。エース、中川誠はシリーズ３勝を挙げるも「Ｇ１でもないぐらい緊張して力が入った」と準決勝敗退。オールスターの状態をキープして臨んだだけに残念な結果に終わった。

　一番悔しかったのは合志正だろう。８月の鎖骨骨折から復調途上とはいえ、最終日は４角番手回りからまさかの４着に。

　「バランスが悪すぎて自転車が出ないですね。追走してるときはいいけど、いざ抜きに行くと全然。地元で歯がゆいけど、焦らず戻していきたい」

　松岡貴にとっては復調の手がかりをつかんだシリーズだった。

　「前回の追加で糸口をつかんだ。この辺かな？と思って乗ったら、ここかって感じが出た。感じはだいぶいいですね。今回も動けたと思うけど、まだ安定感がない。ちょっと感覚が鈍いところがあるんで、そこですね」

　地元記念初参戦の野口大は最終日にようやく勝ち星を挙げた。

　「初日、２日目がらしくなかった。気持ちの弱さがあったので、それじゃダメだと３日目の走りで吹っ切れました。やればできましたね」

　齊藤努は旧地元バンクで２勝を含む３連対と大活躍した。

　「上出来ですね。６月の肩甲骨骨折から体も動くようになってきたし、感覚も戻ってる。今回も収穫がありました」

　同じく連勝で準決勝に勝ち上がった松山桂は補充の９月岸和田から使う新車が合っているようだ。

　「あそこから急によくなりましたね。サイズは同じだけど、メーカーを変えて柔らかくなった。それが今の乗り方にマッチしてますね」

　湊聖二、日野博の四国両者はシリーズを白星で締めた。最終日にギアを換えた湊は「最初からこれでいっとけばよかった。踏み応えが全然違う。ギアとサドルを下げて正解でした」。日野も「復帰してからシューズを換えてたけど、最終日に戻したら感じがよかった」と手応えをつかんでいた。