後記 GⅢ 平 01/23
「近畿が一番大事にしているラインの競輪」
優勝した稲垣裕も、ラインの力を強調したように、近畿勢が結束力でシリーズをリードした。その大きな流れを作ったのが準決の中井俊。稲垣、松岡健と近畿を長きに渡り支えてきた2人を連れて重責を果たした。
「準決は後ろがもつれないようにと思って行った。あとはもう自分のもつところまでと。今回は4日間先行ができたし、ちょっとずつ(S級の)雰囲気にも慣れてきた。まだまだ勉強だし、もっと練習もしてきます」
S級2場所目でこれが初記念の中井。近畿の流れを汲む若手の走りに「2日間の1着よりもうれしかった」と、稲垣も惜しみない賛辞を送った。
一次予選を7着敗退の小笹隼だったが、その後は逃げ切りで2勝をマーク。稲垣とのセットのシリーズで多くを学んだ。
「稲垣さんのレースはA級の時から見てきてるし、(3日目に)ああいうレースを続けていけば力がつくって言われた。練習での力は追いついてきていると思う。日に日に自転車とかみ合ってきたのもあるし、自分でレースを作って逃げ切れたのは自信になりました」
前回の松山では3日間9着を並べた伊藤裕。「自転車の乗り方が急にわからなくなった」との、前検日の不安を払しょく。連勝で勝ち上がり、準決でも見せ場をつくった。
「3日目の段階で戻ったっていう感じがしました。今回の感じなら、もう前回みたいなことはないと思います。今は練習をしっかりしているし、それで結果がついてくれば。あとは4日間走りきる体力。そこが課題」
昨年は練習中の落車で怪我を負い、その後は病気で欠場を強いられ不振に陥っていた日野博だったが、ようやく復調の光が差し込んだ。
「自分でもビックリするくらいですけど。怪我する前のスピードに戻った。病気(バセドウ病)の方は薬で抑えているし大丈夫です。今回からフレームのメーカーを変えて、それが自分と合っている。ここまで半年かかりました。ようやくトンネルの出口が見えてきた」