GⅠSPECIAL Inside report GⅠ 名古屋 06/16
新田祐大の優勝によって幕を閉じた今年2度目となる名古屋競輪場でのG1、熊本地震被災地支援競輪第67回高松宮記念杯競輪。今年のG1覇者である渡邉一成、中川誠一郎に加え、脇本雄一の3名がリオデジャネイロオリンピックへの準備期間に入っているため不参加。S班の稲垣裕之もあっ旋停止で不在も、連日見応えのある好勝負が繰り広げられた。中部勢はまたしても苦杯
決勝に3名が進出した中部勢だが新田の個の力の前に完敗。そして当所ダービー、静岡ダービーと連続してG1ファイナルへ進出。今開催での完全復活を多くの人が信じていた深谷知広は準決勝敗退と決勝にすら進めず。
「今回は直前に思うような練習ができなくて不安もあったけど、走るからにはと頑張りました。でもやっぱり勝ち上がりの段階では(練習不足が)出ましたね。最終日の走りが勝ち上がりでできれば最高でしたけど」と直前合宿で落車、さらにぎっくり腰になったことが肝心なところで影響をもたらした。
竹内雄作も前検日には40℃の熱が出る中での参戦とコンディション不良に苦しんだ。
「大事な初日を自分の中で出し切れなかった。それが後半になってからひびいてきてしまいました。初日から4日間を通して組み立てたときに同じ9着でも出し切っての9着と、流しているところを行かれての9着では全然違う。ピークを合わせられるようにしないと」
地元の代表として開会式で敢闘宣言をした林巨人も初日で落車と不運に泣いた。
「初日の落車がひびいてるんでケアをして。落車も自分の力。上手く避けられなかったので。地元(のビッグ)がとりあえず終わったんですけど、またこれからも続くんで気合を入れ直して。まだ諦められないんで」次世代が台頭した関東勢
神山雄一郎が二次予選で失格、武田豊樹が準決勝で落車棄権となった関東勢だが、新戦力が結果を残し明るい話題を振りまいた。次世代の筆頭格として期待の吉田拓矢は勝ち星こそ挙げられずも、初となるG1でもその実力を思う存分に発揮。しかし準決勝で敗退し「これも経験と思って、次につなげたいです」と満足せず先を見据える。
今年の全日本選抜競輪でG1デビューし、初勝利を挙げた吉澤純平。今シリーズはG1で初めて準決勝進出と歩みを止めない。
「自力で決勝に残れるようにしないと。毎回もうちょっとって感覚しかないですね。なので達成感を得られるように。満足せずもっと精進していきたいです」
河村雅章は今シリーズがG1デビュー戦となった。3日目には嬉しい初勝利を飾った。
「良い刺激になり、手応えはつかみました。レベルの高さや自分の位置を再確認もできました。脚力を上げてまたG1の舞台に帰ってきます」と笑顔で4日間を振り返った。
今シリーズでインパクトを与えたのが河端朋之。今まで本業の競輪では不本意な成績も、G1初勝利を含む2勝と快速ぶりを見せた。
「しっかり自分の力を出すことができました。勝ち上がりではないけど2勝もできました。今までの中で一番S級で走れました」川村晃は乗り切れず
当所ダービーで準V。今シリーズも期待された川村晃司はまさかの一次予選で敗退。
「最近調子の波が激しくて練習の段階からそれが出てる。悪いときが年々多くなっているし、調整の仕方を考えなければいけないのかもしれない。(2日目に40歳を迎え)40歳以上でも頑張っている人はいるんでまだまだ僕も頑張らないと。出直してきます」
中川が静岡ダービーを制し、それに続きたかった九州勢だが、惜しくも準決勝で全員が姿を消した。園田匠は結果より内容を悔いた。
「準決勝の勝負どころで間違ってしまいました。ただ詰まって何もせずに終わって悔いが残ります。難しい判断だったけどタテに踏む展開にもっていければよかったんですけど」
熊本地震被災地支援のサブタイトルが付いた中、熊本出身の松岡貴久は準決勝まで進出。
「単純に言えば底力不足でした。初日が一番良くて徐々に下がっていってしまった。4日、6日もつように練習していかないと。中川さんに刺激をもらったのは確かなんで、少しでも追いつけるように」
山田英明は今年3度目のG1の準決勝だったがまたも惜敗。だが3142着とまとめた。
「最終日までしっかりと組み立てて、集中して走れたのは次につながります。次の特別に向けて足りないところも分かったしよかったです」と確実に手応えをつかんだ様子。