後半戦を占う大事な初戦。今回追加参戦の近藤隆は準決で敗れたが、上位陣は順当に決勝へ駒を進めた。また、その一方で期変わりの開催らしく、初昇級組や復帰組が奮闘し、新風を吹き込んだ。初昇級の飯田憲は初戦でいきなりの逃げ切り勝ち。「勝てるのは２、３カ月先と思ってたけど」と嬉しい誤算。「でも後半は中途半端でした。Ｓ級は厳しい。今後は課題をこなしていく」。

　三登誉は最終日をまくりで初勝利。また、２日目は打鐘から逃げて２着と健闘した。「初勝利は次のＦ１以降と思ってたので嬉しい。踏める距離を伸ばして、踏み直しもできるように」と早速課題に取り組む。

　落合達は最終日に２着で確定板入り。３車併走の後ろから差し脚を伸ばした。「４日間走るのが目標だったし、初日をクリアできたから今回は上デキ。もっと落ち着いて走れるように」。

　復帰組は高鍋邦彰が２連勝で準決進出の大健闘。２日目は松岡健、池田勇を相手に堂々と逃げ切った。「今回はやれたけど、スピードと粘りがまだまだ。練習してきます」と上を目指す。

　山口智、三田村謙はともに２勝をマーク。山口は長く怪我に苦しんだが、「まさか２勝できるとは。またここから頑張ります」と再起を誓った。三田村は「悲惨なことになるかと思ったけど２勝は嬉しい。自信になったし課題も見つかった。帰ってすぐに練習します」と元気良く帰路についた。

　また、今回から実施された熊本地震災害復興支援レースは坂本貴のまくりに乗り、和田圭が差し切って勝利した。

　「坂本君が積極的に前に踏んでくれたおかげ。９割先行する作戦だったけど、初手の中団は作戦になかったから。（差したのは）ギリギリだし、もっと練習しないと上ではダメですね」

　坂本貴は交わされたものの、持ち前のダッシュ・スピードを存分に見せ付けた。

　「山本伸さんが行ってからすぐに反応できたのがよかった。最近は遅くてもバックを取るレースを心掛けているので」