後記 GⅢ 千葉 10/15
存続問題に揺れる千葉競輪場で開催された開設67周年記念「第9回滝澤正光杯」。4日間の総売り上げは目標額の60億円にわずかに届かなかったが、それでも選手たちは力の限りを尽くして、シリーズを盛り上げた。
寬仁親王牌で悲願のG1タイトルを獲得した稲垣裕は思い入れの強いバンクで奮闘。決勝進出は逃したが、最終日は2段駆けの地元勢をまくりで粉砕した。
「千葉は自衛隊時代を過ごした場所だし、自分にとって第2の故郷。正直、中3日続きで、しんどかったんですが、存続問題に揺れる千葉だからこそ、走らせてもらいました。決勝に乗りたかったけど、最終日に気迫をひしひしと感じさせる地元勢との力勝負ができたことには満足です。この後はしっかりと休んで、次に備えます」
地元勢は決勝に1人も乗ることができなかった。それでも一致団結して戦い抜いた。中村浩は支部長としての重責を背負っての今シリーズを感慨深そうに振り返った。
「地元勢が決勝に誰も乗れなかったけど、最終日まで一呼吸も置かず戦うことはできました。決勝ももちろん大事ですけど、レース1個ずつがお客さんにとっては大事。それぞれの選手が全力で戦ってくれたことに感謝したいです。この思いや情熱が千葉競輪の存続につながっていければ。また明日から存続に向けて戦います」
最終日の9レースに行われたケイリンエボリューションは佐藤博が制した。レースは栗山俊が最終ホーム手前からスパート。前受けから飛び付いた佐藤と金子幸で後位は併走が続く。最終4コーナーで外の金子が力尽きると、佐藤が直線一気に追い込んだ。
「前を取れてよかった。栗山君、金子君のどちらかがカマして来るだろうし、その後ろを狙って飛び付こうと考えてました。外に(金子が)いたけど、ルールでは締めこまれないので、我慢して、空けば前に踏もうと思ってました。なんとか勝ててよかったです。競輪でもっと上のレースで戦えるように頑張ります」