後記 GⅢ 熊本 10/20
「火の国杯争奪戦」in久留米は、被災地熊本の中川誠の地元記念初優勝で幕を閉じた。最終日は4コーナーから強い向かい風が吹いたが、復興支援レースは鈴木庸が風を計算したクレバーな走りで勝利した。
「周回中から横風が凄いから1発勝負でいこうと。引いて7番手にいるよりは行った方がいいと思って。内が重たいから上の方を走って、中田(健太)君が離れていたのが見えたから待ちながら。上手くいきました」
開催は熊本の4人がそれぞれ役割を果たし、シリーズを盛り上げた。初日3レースに中本匠が先陣を切って登場。目標の魚屋周と中団に位置すると、内のコースを突き抜け穴を出した。
「(田中晴を叩けず)二次予選は反省しかないけど、気持ちが入った競走はできた。今期点数が取れてないのでこれを足掛かりに上げていきたい」
服部克は準決勝で敗れたものの、鈴木竜の内を突いて先行。井上昌を決勝へ導くなど、強い気持ちで4日間を走り抜いた。
「(松岡)貴久、松川(高大)、合志(正臣)さんがいない中で、4人が代わりに頑張れたと思う。今回九州は機動型が少なかったけど、そんな時に自分も活躍できる機動型になりたい」
昨年覇者の武田豊は二次予選で敗退も、S班の責務を全うし4日間走り抜いた。敗者戦も手を抜かずに2勝。
「自力で負けたのなら別だけど、欠場したら前の選手(片折亮)に失礼だし申し訳ないので。どんなレースでもワンツーを決めないといけないし、1着でも納得できるレースをしないとと思った」
その片折亮は武田と初連係。二次予選で2人そろって敗退も、3日目はそろって確定板入り。この経験を生かし、さらにレベルアップだ。
「緊張しっ放しだった。今回4日間が長く感じましたね。良い経験になったし、もっと脚を鍛えてきます」
五日市誠は1413着と今回ブレーク。「流れが向いたけど、期の終わりに近づくと毎年成績が良くなるんですよ」。今後の走りに注目したい。