後記 GⅢ 佐世保 12/08
「(取鳥)雄吾にしても、清水(裕)にしても、一緒に走りたい2人だった。楽しみにしてきたのに…」と、最終日にまくりで1勝を挙げて少なからず留飲を下げた石丸寛だったが、一度も連係がかなうことなく恨み節。
その取鳥雄、清水裕はともに、長きにわたり中国地区をけん引してきた石丸の期待に違わぬ走りを見せた。取鳥は1421着。「まとめましたね」と、おどけたが、鮮烈なインパクトを残した。
「佐世保と相性がいいっていうのもあったけど、しっかりとレースができた。やってきたことが間違ってなかった。107期は新山(響)さん、吉田(拓)、鈴木(竜)さんだけじゃないっていうところを見せられたかなと」
一方の清水は1勝にとどまったが、シリーズの4日間すべてを先行。荒井崇らの追撃を抑えた3日目の逃げ切りで、さらに自信を深めた。
「3日目みたいに一気にスピードに乗せてしまう方が、僕の持ち味は生きる。でも、しっかりと押さえ先行もやっていきたい。今は結果が出ているけど、小さい走りをしないように」
不破将は3場所連続の完全Vで、S級にカムバック。特進後の今シリーズは、いきなりの記念で4944着に終わった。
「最初の3日間は番手もあったけど、レースの流れというか、スピードに慣れていなくて“溜め”がつくれなかった。それが最終日は2車でも逃げて4着まで残れている。もっと流れを覚えてくればっていう感じはある」
A級2班を経験し、一時期はチャレンジ陥落の危機。それでも腐らずやってきた不破のS級ライフを応援したい。
最終日に行われた熊本地震災害復興支援レースは、布居寛が1着。近畿ライン3番手から中のコースをシャープな伸びで突き抜け、デビュー通算299勝目を挙げた。
「久しぶりの1着だし、次につながる。(300勝は)来年の和歌山記念あたりでと思ってたけど、まだ6走あるんで今年中になんとかしたい」
メモリアルへあと1勝に迫った布居が、ヤル気になっている。