ピックアップ GⅠ 岸和田 06/14
ダービーに続いて脇本雄が圧巻の逃走劇。別線は手も足も出ず、近畿勢が地元の高松宮記念杯で上位を独占した。高速バンクでのタイム勝負。日の丸を背負ってスピードに磨きをかけるナショナルチームが水を得た競輪を吉田敏も肌で感じている
「細かい技術とかを超越したレベルになっている。前は練習は自分との戦いで、レースは人との戦いだった。それがいまは練習もレースも数字との戦い。タイムが違ってきている」
そのなかでベテラン勢も、ただ指をくわえているわけではない。筒井敦は単騎の二次予選で、3連単30万円超の大穴を配給した。
「ここ最近にしては一番良かった。二次予選は単騎らしい動きができた。ただ、準決では(スピードの)壁を感じた。来期は2班なんで、気合入れていい緊張感で頑張りますよ」
中川誠は着。シリーズ後半は上がり10秒台を連発して2勝を挙げた。単騎の9番手だった最終日は、まくり追い込みで周囲をあっと言わせた。
「キツかったけど、いい感じで踏み切れました。最終日は自分らしいって言えば、自分らしいけど、4日間苦しかった」
やっぱり中川には、イチかバチかの自力がよく似合う。
最終日は自力で勝ち星をもぎ取った古性優は、勝ち上がりの3日目まではすべて番手回り。準決では脇本の8番手まくりに付け切れず、地元の大舞台で課題を残した。
「初日は(石塚)輪太郎、2、3日目は脇本さんに頑張っていただいた。感覚的に(最近で)一番良かったけど、脇本さんに迷惑を掛けた。稲垣(裕)さん、村上(義)さんには僕のワガママでいかせてもらったのに…。最終日は思い通りの展開にもっていって自力を出せた。なんとか次につながりました」