ピックアップ GⅢ 宇都宮 05/16
小埜正義とのスタート合戦を車番の利もあって制した地元の長島大介が、4車の南関勢分断を図り隊列が凝縮。流れは単騎の3人に傾いた。スタートが勝負の分かれ目となった決勝で、チャンスをモノにした村上義弘が35回目のG3制覇を遂げた。いまの村上にとっては、結果を出してファンの前に立つことが、何よりの良薬だろう。
河合佑弥は、初の記念が今シリーズだった。1月の特進でA級を卒業すると、前回の前橋F1でS級初優勝。徹底先行として順調に力をつけ、二次予選では平原康多と連係。準決でも平原に続きタイトルホルダーの佐藤慎太郎が、河合の番手を回った。
「今回はG1で戦う人たちの前で走る機会ばかりで、すごく勉強になった。とくに平原さんには走り終わったあとに、(最終)3コーナーまで掛かり良く走ってくれれば、番手は仕事しやすい。だから、これからはそこを意識して走れば、もっと力がつくってアドバイスをもらった。この課題をクリアすれば、また新しい課題をもらえると思うので、ひとつひとつその階段をのぼっていきたい。準決は最低なレースをしてしまった。想定外のことがおこった時の対応力をもっと身につけたい」
中4日の全プロ記念のあとは取手記念(6月1日から)、高松宮記念杯(6月13日から)と吉澤純平にとってのビッグイベントが控えている。しかしながら、今シリーズは二次予選敗退。河合の番手で挙げた最終日の1勝のみでシリーズを終えた。
「まだ吹っ切れていないのがもろに出て、それが成績に表れている。覚悟も脚も足りない。(吉田)拓矢とかがくすぶっているなかで、自分がそういう若手を引っ張っていかないと…。それなのに情けない。ゆくゆくは武田(豊樹)さんみたいに前でも、番手でも、3番手でも、どこでもできるタイプになりたい。けど、まだ平原さんの前でやり残したことがあるので、そこを達成するまでは(平原の)前で走ることにこだわりたい」
吉田拓矢はシリーズを3着。南潤の先行を4番手に構えて追い込んだ最終日に、笑顔はない。
「最終日はレースに勝ったけど、勝負に負けた。それでも踏んだ感じは最終日が一番良かった。(ギアを3.93に)換えたのも、いい方向にいったんだと思う。あとは内容ですね」
直近の競走得点が94点台ながらも、小野裕次は初日から別線をかく乱して存在感を放った。最終日はまくりで好配当を演出し、このあともまだ狙えそうだ。
「ずっと成績が悪い時があったけど、気持ちだけは強くもってやってきた。わりとこの時期くらいから、良くなってくるんですよ。最悪、タテがダメなら、ヨコをやって。なんでもやってこうっていう気持ちが、結果、余裕をもてるようになった。(輪界には)強い自在の人が多いんで、自分もそこを目指して」