ピックアップ GⅢ 久留米 06/27
平原康多の今年初Vで幕を閉じた今シリーズ。ラインの先頭で主導権を握った杉森輝大。まくってきた山崎賢人を、一発で仕留めた木暮安由。4番手を固めた神山拓弥。強豪ぞろいの中、各々が仕事を全うし関東ラインの力を示した価値のある優勝だった。
地元勢からの優出はなく、坂本健太郎も二次予選Bで敗退。しかし、気持ちを切らさず挑んだシリーズ3日目に、まくった中本匠を交わして通算400勝目を挙げた。
「今節は前検日の前の日に来た急な追加だったので、初日と2日目は体が重い感じがしたんですけど、とりあえず400勝ができて良かったです。7月からは、ウィナーズカップの権利取りも始まるし、この後も順調に勝ち星を重ねていきたいですね。1年20勝くらいのペースで、5年後くらいに自然と500勝を達成できれば。チャンスが巡ってきた時に、モノにできる準備をしっかりしておきたいです」
宮杯で決勝進出を果たした渡邉一成は、今シリーズ着。準決勝では3番手を確保したが、仕掛けることができなかった。しかし、新ルールで2場所走り、つかんできたものもあるようだ。
「まだ探り探りですけど、前受けから突っ張るのはありかなって思います。今のルールだと、誘導が上がって後ろから押さえるのはキツイですけど、ペースが上がる分、突っ張るのは楽ですからね。切って切っての展開になると、前から下げてもキツイ。一つのラインを突っ張ってしまえば位置は取れるし、その辺はつかめたのかなと思います。あと、この記念の制度になって優秀戦がなくなったことを考えれば、初日に単騎でもしっかりと仕掛けておくべきでした。準決勝であの位置(3番手)を取ってから、もう一度仕掛ける勇気が出なかったのは、状態を把握し切れてなかったことも関係していると思います。今回は来る前にちょっと体調を崩してしまっていて、それを引きずってしまいました。体調は戻っていたけど、体力が戻ってなかったです」
3着の島川将貴は、予選で粘り強いレースを披露した。
「(前々回の)地元戦の最終日の1着が良いきっかけになって、前回の四日市も自信を持って走れました。今回は直前にギックリ腰みたいな感じになったけど、ケアをしてなんとか戦えましたね。以前と比べれば感じは徐々に良くなってきていると思います。でも、新ルールは難しいです。赤板で上がりながら突っ張られると、外側はキツイ。強引に叩いても、打鐘で脚にきます。もう少し脚力を上げるしかないですね。トップスピードというよりも、スピードをキープする力なんですかね」
ダービーは後半戦で2勝。宮杯では一次予選で1着と、G1でも存在感を放ち始めた不破将登。今回も壁となっている記念の準決勝を突破することはできなかったが、たくさんのことを吸収した開催となった。
「3年前からウエイトをやっているんですけど、やっている内に少しずつ体重が減っていって、力は付いて。体重が減った分、自転車が進んでいる気がしますね。今シリーズは2日目と3日目にレースの流れの中で、(渡邉)一成さんと(三谷)竜生さんの後ろになって。なかなか後ろに付くことができないんで、付いてみてやっぱり脚が違うなと感じました。自分の中では回っている気がしても、まだそこからスピードが上がっていって、まだ上のギアがあるのかって感じで。グググって上がっていく初速も違ったんで、あれくらいないとダメなんだなって感じました。このあとは、サマーナイトまでちょっと空くので、感じたことを練習していきたいです」
最終日に行われたS級ブロックセブンでは、吉本卓仁をマークした黒田淳が直線で鋭く伸びて優勝を飾った。中四国の若手機動型がどんどん成長している今、自在に戦ってきた黒田に自分の戦法を見つめ直す時がきた。
「今後どうやって勝ち上がって行くかを考えて、自力をやめていきたいって思っています。だから、(前々回の)四日市の初日も3番手を回りました。ピッタリ続けると良いんですけど、僕はちょっと車間をあけて走っちゃうから、脚にきちゃうんですよね。先行屋のタイプによって踏み方も違うし、まずは前から離れないようにしたいです」