別線にもＳ班の清水裕友や、ナショナルチームの松井宏佑、サマーナイトで準Ｖの渡邉雄太と強力なメンバーが勢ぞろいした決勝戦。諸橋愛は、記念初参戦の小林泰正を目標に地元記念３連覇を達成した。

　今シリーズは、若手機動型が随所にインパクトのあるレースを披露した。松本貴治は惜しくも準決勝で敗れたが、予選と最終日で３勝をマーク。４日間主導権を握った。

　「予選の２日間は逃げ切れたけど、自分の中で感覚は良くなかったので、３日目から新車にしました。３日目はダメだったので、セッティングを変えたら最終日は良くなりましたね。ダッシュが良いし、脚にも伝わってくる。フレームとセッティングはデビューしてから、一番いいかもしれないです。オールスターに向けてフレームを変えたかったので、今回で自信になったし、手応えもつかめました」

　直前の名古屋Ｆ１で優勝し、今節をいい流れで迎えた島川将貴は４着。二次予選はロングまくりで快勝したが、準決勝で絶好の３番手を確保しながらも、チャンスをモノにできなかった。

　「決勝に上がれる展開だったのに、もったいなかったですね。周回中から楽だったのに、内のことは全然考えてなくて（山田庸平にすくわれた）…。ゴールまで油断はできないなと学びました。最近は練習の強弱が大切ってことが分かってきたし、良い感じでここまできているんでしっかり頑張りたいです」

　今期からＳ級の舞台に立った瓜生崇智は、シリーズ２日目の選抜戦でＳ級初勝利をゲットした。

　「今開催は得るものしかなかったですね。５月の小松島で落車して、そこからはＡ級でも１着がなかったので初勝利は本当にうれしいです。落車から骨盤がずっと痛くてモコモコしていたんですけど、痛みが取れてきて競走にも参加できるようになってきました。この１着で気持ちもすごい上がったし、８月はもうちょっと戦える気がします」

　若手が活躍する一方で、渡邉一成は着と後半戦で２勝。初日特選と二次予選は先行策で敗れたが、まくった２走はスピードの違いを見せた。

　「４日間積極的に走れたのは、体の面と技術の面で状態の確認をするために良かったと思います。良かった点と悪かった点が見えたんで、次走（玉野Ｆ１）までは足りなかった点を課題として克服していきたいですね。（来月の）オールスターは年々状況が違いますけど、うまく照準を合わせて行きたいと思います」