ピックアップ GⅢ 防府 11/01
清水裕友の地元記念連覇で幕を閉じた「周防国府杯争奪戦」。正あっせんで3名が参戦した地元勢のファイナリストは清水だけだったが、宮本隼輔は2勝、桑原大志が1勝を含む3連対と気を吐いた。勝った清水は村上博幸を抜いて賞金ランク4位(11月6日現在)に浮上。2年連続のグランプリ出場をほぼ確定させた。
3月に国際自転車トラック競技支援競輪(G3)を走っているが、これが宮本隼輔にとっては初めての地元記念。「普段(の練習)はバンクとロードと半々なんだけど、直前はワット(バイク)系ばっかやってました」と現状からの脱却を求めて練習を変え、初日から新車を投入した。後位に別線に入られて準決勝で敗れたが、今まで使っていた自転車に戻した最終日を豪快な逃げ切り勝ちで締めた。
「(最終日は)久々に良かったです。ちゃんとレースができたんで。(自転車も)換えて良かった。今回は4日間、キツかったです。得るもの…、難しいですね。何とかなったかなって感じ」
桑原大志は佐伯辰哉の逃げに乗って最終日を快勝。2日目に清水裕、準決勝で宮本隼と連係した地元記念を感慨深げに振り返る。
「恵まれた開催でした。準決勝に関しては自分の甘さが出たレースでしたけど。今回でもうちょっと頑張ろうって気持ちになった。年齢的にも苦しくなってくる歳だけど、若手に刺激をもらって、もうちょっと頑張ろうって。一緒にG1に出たいし、うるさい桑原がまだまだいるよってね。自分にとってプラスの開催だったと思う」
次が競輪祭のメンバーをはじめ、今シリーズは新車を使う選手が多かった。優出した原田研太朗に島川将貴、松岡健介、矢野昌彦はまずまず好感触を得ている様子。矢野は4日間で感じた修正点を次に生かせるかだ。
「(新車を)まだ完全には把握しきってないけど、反応は前よりいい。イメージどおり動いてくれますね。サドルの高さとか、ギアとか今回で変更点を思いついたので、そこを変えてみて、次(8日からの和歌山)どうなるか」
一方で宮本隼や山本伸一は最終日に今まで使っていたフレームに戻した。宮本は最終日逃げ切り。山本は大石剣士を叩けず7着に敗れたが、「最終日に戻して、こっちのほうが出が良かった。乗りなれてるのでいい感じでした」と話すように、戻したほうが感じは良かったようだ。
その山本を出させず逃げ切った大石剣士の最終日は力強かった。
「試しに柔らかいクランクを使ってみたけど、3日目に先行して微妙だなと思ったので最終日に元に戻した。感じが良かったし、ようやく(最終日に1勝)ですね。山本さんが見えて行かれると思ったけど、踏み直せて合わせられました」
鈴木竜士は最終日に植原琢也の番手で獅子奮迅の走りを見せた。
「植原が強いのであれだけできた。でもちょっと仕事が多すぎましたね。イマイチ結果が出てないのでいいとは言えないけど、底は脱した感じがある。だいぶ戻ってきました」
最終日にようやく勝ち星を挙げた新山響平にとっては多くの課題が見つかったシリーズだった。
「脚力的な部分で末がないなと思った。それも感じたし、あとは走行技術を高めないといけないなと。(まくり、カマシは)すれすれを行ったほうが自転車も伸びるし。タイミングもワンテンポ遅い気がするので、そこも直したい。次(競輪祭)は大事なレースになる。今回はいい勉強したので。これを次に生かせるように」