清水裕が軸になる地元勢
ビッグ戦線で存在感を示している自力型がズラリとそろっていて、どこからでも狙えそうなメンバー構成だ。ならばいつも以上に気合が入る地元ラインを重視するのが順当だろう。軸になるのはもちろん清水裕友。なかなかG1タイトルには手が届かない清水だが、今年はダービー準Vをはじめ、高松宮記念杯、寬仁親王牌と決勝に3回進出し、常に好勝負を演じている。賞金獲得ランキングは第5位に付けていて、2年連続でのグランプリ出場は確実。昨年に続いての地元記念Vに視界は良好だ。昨年はラインの先頭で戦い、自力のまくりで圧勝したが、同級生の宮本隼輔と一緒なら前を任せよう。その宮本はオールスター、寬仁親王牌とG1大会では結果を出せていないものの、今年は5Vを飾っているように持ち味の自力攻撃には一段と磨きがかかっている。特に7月大垣記念で平原康、浅井康、村上博らの強豪を撃破したレースは素晴らしかった。桑原大志はベテランならではの安定した走りを披露している。9月岐阜記念3422着の準決と決勝はいずれも太田竜にしぶとく食い下がった。地元ラインのペースなら連対が望める。
三谷竜生、村上博幸の近畿S班コンビが地元勢の前に立ちはだかる。落車負傷の影響で今年はなかなか調子が上がってこなかった三谷だが、10月松戸での千葉記念でまくって優勝すると、寬仁親王牌の決勝は先行して2着に粘っている。ここに来てスピードが甦ってきた印象だ。村上は寬仁親王牌で4日間三谷と連係。決勝では三谷の逃げに乗り、5年ぶりとなるG1大会Vを達成している。最高の舞台で好連係を決めたコンビだけに、今シリーズもレースを掌握しての連独占は大いにありそうだ。
郡司浩平、松谷秀幸、内藤秀久の神奈川勢に根田空史と健脚ぞろいの南関勢も好勝負が見込める。エース格の郡司は共同通信社杯を制覇するなど、今年はGレースで3Vを達成していて、獲得賞金ランキングは第7位。初のグランプリ出場に向けて好位置につけているだけに、少しでも賞金を上積みしたいところ。松谷はオールスター1282着、寬仁親王牌は準決進出とG1大会で好走しているし、内藤も9月小倉は準V、10月平塚で優勝と伸びがいい。好連係を決めて南関勢から優勝者を出す可能性も十分だ。
原田研太朗に山田英明らタテ攻撃の破壊力がある実力者の動向からも目が離せない。北日本勢では今年、記念で2Vを達成いている新山響平が注目株だ。