ピックアップ GⅢ 福井 07/23
7月23~26日に開催された福井競輪開設70周年記念「不死鳥杯」は脇本雄太の大会3連覇で幕を閉じた。今回は近畿、中部の2地区による優勝争い。優勝した脇本が「悩ましいところはあるけど、お互いを尊重した並び。お互いがお互いを知るためのレースが多かったと思う」と振り返るように、初日特選で脇本と野原雅が、決勝では脇本と伊原克が別線勝負なるなど、そろった近畿勢は同地区、同県での別線勝負も多かった。
決勝戦では脇本との連係が叶わなかった伊原克彦。それでもS級復帰2戦目で2010年10月当所以来となる約10年ぶりの記念優出を決めるなど地元で気を吐いた。
「前期のA級では練習方法とかよりレースで番手につくときの道中の運びとか意識して走ってました。自力もしっかり出せるようにしつつ、若い子が増えてきてるので、いざ後ろを回ったときの対応とか。まだまだだけど、できることを増やせるように。調子自体悪くなかったので、感触的にはいけるかなと思ってたけど、まさか決勝に乗れるとは思わなかった」
前検日は「ほんと得意じゃない」と7車立ての印象を話していた渡辺十夢だったが、終わってみればシリーズ2勝の活躍だった。
「状態は悪くないので、いいとこ回ってくればそこそこは。全部2着でもいいと思ってたんですけどね。体は動いたかなと思う。2勝は上出来です」
一方で小森貴は初日に落車、野原雅は準決勝で失格するなど地元で活躍が期待された若手機動型にとっては残念な結果に。地元で記念初出場となった寺崎浩平も準決勝敗退。未勝利でシリーズを終えた。
「初日、2日目はすごく脚の感じが良かったけど、初めての4日制で疲れもあるのか最終日は思ったより脚が重かった。7車立てだし、まくれる自信はあったけど、踏んでも進まなくて嫌な感じで終わりました。まくりが得意で待ってしまって、一番悪い終わり方でしたね。迷ったら踏むぐらいでいかないと。まだまだ競輪のライン戦に対する理解も浅いなと思いました。次はオールスターなんでしっかり走れるようにしたい」
中川勝貴は3422着と4日で3度の確定板入りを果たした。
「今回は全部、人の後ろだから自分が前でやってこの成績ならいいんですけどね。それに1着も取れてないんで。後ろで余裕はあったし、悪くはなかった。今回はお客さんもいたし、気合いが入りました」
今期がS級初挑戦の谷口友真は予選2で単騎まくり、3日目には逃げて2着に粘るなど記念初参戦で数字以上に見せ場を作った。
「着は思ったより良かったけど、しっかり押さえて先行という形ではないので。でも、動けてるんで悪くないと思う。上がりたてで、常にチャレンジャーでいられるからいいですね。(同期の酒井拳蔵、堀僚介は)2人とも練習で強いので。僕ももっと脚力を付けていきたい。S級でも思ったより戦えてると思う」
5月広島から3連続優勝するなど前期A級終盤は好調だった堀僚介は3日目に単騎まくりで1勝を挙げるなどスピードには光るものを見せた。
「まくりの展開ならマシだけど、初日、2日目みたいに逃げたら末が甘い。まだ逃げたら行ける距離もわかってないですね。逃げられないと戦えないし、そこだけですね。1年ぶりのS級だけど、何走かしたら馴染めそうな感覚はある」
柴崎淳はシリーズ3連対。準決勝で敗れはしたが、886着と惨敗を喫したサマーナイトから立ち直りの兆しを見せた。
「宮杯が終わってから急に足首がおかしくなった。踏んだ感じも良くないし、気持ち良くなかったけど、初日、2日目と修正して準決勝はいい感じで乗れた。前回に比べれば劇的な変化。収穫というか、いい方向に行ってる」