ピックアップ GⅢ 武雄 04/22
このあと中1週でダービーを迎える直前の記念シリーズだけあって、主力組は大一番を見据えての戦い。それでもS級S班の4人はきっちりと決勝にコマを進めて、松浦悠士が武雄記念連覇を遂げた。岩本俊介は初日特選、決勝と郡司浩平とのタッグ。不慣れな番手回りのなかで課題を見つけ、自力での二次予選、準決では組み立て面などでレベルアップしているところを見せた。
「(決勝は)山田(英明)さんのところでキツくなって、離れてしまった。慣れてないっていってもやってかないとダメですよね。準決は単騎の神田(龍)君を入れないあたりは、自分でもいい動きだったと思う。そのあとの(松岡)貴久に引っ掛けられても耐えられた。貴久は失格なんで、ああいうところもいろいろ勉強しているところ」
初のG1ファイナルに向け、脚力だけに頼ることなく、テクニックも磨いている岩本のダービーが楽しみだ。
中川誠一郎はラインの4番手を固めてレースにならなかった準決以外は、自力で圧巻のパフォーマンス。一次予選でのまくりを反省して、再度タッグを組んだ荒井崇博のために最終日は赤板2コーナーからの先行策。その強さに周囲からは、感嘆の声があがった。
「(最終日)最後はめちゃくちゃタレましたけどね。初日の分もっていう思いだったし、荒井さんにこのくらいの気持ちがあるっていうことは証明しました(笑)」
まだ自力でもG1を獲れるだけの力を備えている中川にとっての大きな鍵は、メンタル面。荒井が“やる気スイッチ”を押せば、こんなもんだろう。
4度の武雄記念Vを誇る師匠の荒井崇博とセットの初の地元記念。橋本瑠偉は6着。5車立てながらも、最終日にはまくりで記念初勝利を飾った。
「荒井さんには前検日に4日間逃げろって言われました。初日は包まれてしまって、2、3日目は主導権は取れた。でも、競輪は難しいですね。8車だったり9車だったり5車だったり…。それでテンパっちゃいました。もっと脚をつけて、ちょっとずつでも(上がって)いければ」
地元の青柳靖起は、3場所連続の完全Vで3月に特進。前回の佐世保F1がS級初場所で、なんとか地元記念に間に合わせた。しかしながら、今シリーズが初めての9車立て。2日目に勝ち星を挙げて、ポテンシャルのあるところを見せたが、初めての記念はほろ苦いものだった。
「9車立てっていうが難しかった。自分たちの場合は、A級1、2班戦でも7車立てなんで。思ったように走れなかった。A級の時と全然違う。この4日間で課題が何個も見つかったんで、またしっかりと練習していきたい