ピックアップ GⅠ 平 08/10
6日制のナイターシリーズとして行われた今年のオールスター。6日間で5走をこなす日程は、東京五輪から中ゼロで臨んだ脇本雄太、新田祐大だけではなく多くの選手が、その課題に直面した。「(6日間の開催で)長いのもそうですけど、(決勝まで)5回集中力を高めるのが、精神的に疲れます」とは、平原康多。6月の高松宮記念杯では平原が不在のなかでG1初制覇を遂げた宿口陽一は、二次予選敗退もシリーズを5戦4勝。タイトルホルダーとしての責務を存分にまっとうした。
「(今シリーズは)4走が番手で1走が自力だった。そのなかで課題が見つかったんで、今後につなげられるように。番手から出ていかなきゃならない時と(別線を)止める時。そこの見極めですね。平原さんを間近で見させてもらっているし、いいお手本なんで自分もそうできるように」
7月のサマーナイトフェスティバルでは準V。2度目のG1出場で決勝進出の期待も高まった山口拳矢は、準決で惜しくも4着だったがシリーズで2勝をマーク。単騎の最終日は諸橋愛に再三にわたりブロックを受けながらも、山崎賢人をまくり追い込みでとらえるインパクトのある走りを見せた。
「(諸橋に絡まれたが)自分もまくる脚があったんで(山崎ラインに)吸い込まれた感じです。(1着は)単騎だったんで最低限ですね。最終日を1着で終われたのは良かった(6日間の開催は)1週間拘束をされるのはキツいかと思ってたけど、終わってみればあっという間にだった。なるべく早く(G1の)準決の壁を突破できるようにしたい」
ドリームレースを制した清水裕友は、2走目の9着が尾を引いてその後は精彩を欠いた。清水と同じく決勝を逃した松浦悠士だったが、最終日に2勝目を挙げてきっちりと人気に応えた。五輪が終わり、脇本、新田の本格復帰に中国S班コンビは、互いの力が必要なことをより認識する結果となった。
「今回はいまの自分の力じゃ通用しないって痛感させられました。でも、自分だけの力だけで戦うのが競輪じゃない。(清水)裕友とも話して当面はラインの力で勝てるようにしていこうって一致しました。今回は状態が良かったんですけど、相手も良ければ差は埋まらない。底力をつけていかないと。中四国でっていうくくりもあるけど、現状は裕友と力を合わせないと勝てない。いつかナショナルチームや脇本さん、新田さんが相手でも、自分の力で勝てる日がくるようにトレーニングをしていきたい」
ビッグの舞台ではなかなか芽が出なかった黒沢征治だが、6月の高松宮記念杯では準決に進出。今シリーズは着で4度確定板にあがったが、それ以上に内容が光り、一皮むけた感がある。
「今年から平原さんにお願いして、月一くらいのペースで西武園で一緒に練習をさせてもらっています。大宮だとどちらかというと地脚系のメニューが多いんですけど、平原さんたちはスピード系が多い。それでトップスピード自体は上がっています。(前回の)富山記念で浅井(康太)さんに体の使い方を教わって、少しずつどうやって体を使えばいいかがわかってきた。仕掛ける時の間合いの取り方は、松浦さんを参考にしています。やっぱり強い人からいろいろと学んでいかないと」