生まれ変わったオールスター
前年までの5日制から6日制となり、概定番組も大きく変更された。3日目までは競輪祭のようにポイント制が導入された。ドリームレース、オリオン賞レースがそれぞれ1個レース、一次予選(第1走)が13個レース、そして一次予選(第2走)が15個レース行われる。4日目は2走の合計ポイント上位者1位~9位がシャイニングスター賞、10位~63位が二次予選に進出するシステム。
東京五輪が終了し、今年初めてSS班9名がそろって参戦する。これ以上は望めぬ豪華なメンバーとなった。優勝候補の筆頭は輪界トップの脚力を誇る脇本雄太だ。五輪の疲れは気になるが、競技と本業を両立させ、どちらも結果を出してきただけに不安はあるまい。グランプリは19、20と続けて準V、昨年は高松宮記念杯、寬仁親王牌を制している。当所は18年のオールスターでG1初戴冠を果たしたゲンのいいバンクでもある。ワールドクラスのスピードで別線をねじ伏せよう。
対峙する新田祐大は地元Vに闘志を燃やす。新田も競技では世界の舞台で素晴らしい成績を修めていて、本業でもG1大会で7Vを達成している。航続距離は脇本に軍配が上がるが、トップスピードなら互角以上。オールスターは15年、19年と2Vを飾っていて相性がいい大会。好スパートを決めて地元ファンの期待に応える可能性は大いにある。地元勢は佐藤慎太郎、山崎芳仁、渡邉一成、小松崎大地ら強大な勢力を誇る。更に守澤太志、新山響平も控えていて北日本勢は層が厚い。
今年のビッグ戦線をリードしてきたのは松浦悠士だ。ビッグレースはすべて決勝に乗っていて、ダービー初優勝を飾ると、サマーナイトは3連勝で制覇した。完成度が高いオールラウンダーで、安定感は抜群。昨年の決勝は、脇本とのデッドヒートの末に撃破しており、今年は連覇の期待がかかる。盟友の清水裕友も今年のビッグレースはオール優参していて、ウィナーズカップではVゲット。チャンスが巡ってくればものにできる状態にある。
ファン投票第1位で選出されたのは平原康多だ。今年は記念で3V、全日本選抜、ダービーで優参など順調に来ていたが、練習中に左肘を骨折し高松宮記念杯、久留米記念を欠場。サマーナイトから復帰したが、準決で落車のアクシデントに見舞われた。体調が浮沈の鍵となりそうだ。
南関勢は郡司浩平が病気で欠場。深谷知広にかかる期待が大きくなった。今年はここまで2度のビッグ優出。7年ぶりのタイトル奪取も視界に入っている。
ビッグレースで自慢のスピードを遺憾なく発揮している山崎賢人。ダービーで着と3勝を挙げると、高松宮記念杯、サマーナイトは決勝進出。タイミングよく仕掛けられれば好勝負に持ち込める。