ピックアップ GⅢ 向日町 09/02
初日特選での新田祐大の失格もあり、脇本雄太の強さだけが際立ったシリーズだった。「平よりも、もちろん仕上がってた」と、決勝で2着に流れ込んだ村上博幸は、ホッと胸をなでおろした。東京五輪から中ゼロの強行軍だった平のオールスターよりも、リフレッシュを挟んで臨んだ今シリーズの方がメンタル、フィジカルともに上向きだったのは間違いない。向日町記念で見せた脇本の圧倒的なパフォーマンスは、今後のG戦線の流れを変えることになりそうだ。
松浦悠士は着。準決では眞杉匠を楽に駆けてさせて8番手から不発になり、脇本との現状の脚力差を痛感させられた。
「(準決は)あらためてそこからだと自分は届かないことがわかった。脇本さん、新田さんなら届くけど…。現状、このままだと歯が立たない。岐阜(次回の共同通信社杯)に向けてというより、(年末の)グランプリに向けて考えていきたい。長い目でみて少しずつでも強くなれるように。いままで通りじゃダメだっていうのがわかった」と、年末の大一番に前を向いた。
脇本と顔を合わせた決勝で、チャレンジャーとしての意地を見せたのは大石剣士。シリーズで2勝を挙げて、決勝では打鐘から果敢に脇本の先行に迫り、脇本を一瞬だけでも追い詰めた。
「せっかく脇本さんと勝負できる機会だったから、このまま7番手でビビッて終わっちゃうのも。行くならここしかないと思ってワンチャンにかけた。出足は、もしかしたらって思った。(逃げているのが普通の選手なら)行けてたと思います。またこれで目標ができました」
地元記念の一次予選でまさかの9着大敗を喫した山本伸一は、2日目以降を着で及第点といえる動きを取り戻した。
「初日が不甲斐ない成績だった。自転車を試した結果だった。もうあの自転車はお蔵入りです。2日目から自転車を戻して、3日目、最終日はシューズを新しくした。シューズに関しては、手応えがありました」
半年間のA級ライフを経て、今期S級に返り咲いた横関裕樹は、今期初場所の小松島記念と見違える動きで1着。一次予選は先行策で押し切った。
「A級の時は後半やっと良くなってきたけど、(S級に)上がったばっかりで通用するかわからなかった。それで位置だけはシビアにやってました。もう小松島の時よりも良くなって、脚が戻ってきたというか、さらにプラスアルファも。それで余裕があります。脚力もそうですけど、ペダリングとか技術面で補っているところもある。前にS級だった時は(一番いい時でも)101点か102点いかないくらいだったんで、いまの方が全然(競走得点が)あるけど慢心しないように」