ピックアップ GⅢ 久留米 10/07
3年後、400バンクとして再開される熊本競輪。その希望の光を照らすように、熊本での実戦を知らない新たな世代の嘉永泰斗が、記念初優出というプレッシャーのなかで優勝につなげた。北津留翼のパワーなしではあり得なかった熊本勢のワンツー劇だったが、準決で同様に嘉永、瓜生崇智を決勝に乗せる大役を果たしたのが松岡辰泰だ。
「準決では、ラインの力でSSを倒すことができたんで自信になりました。同県でラインを組めるっていうのもすごく大きい。歳にしてもプラマイ3、4年くらいですかね。みんな近いし、そのなかで前後を交替したりしてやっていきたい。自分も取り残されないようにしないと。瓜生さんとは次の高松でも一緒なんで楽しみですね」
次回18日からの高松F1で、いきなり瓜生の恩返しの前回りがあるかもしれない。
一、二次予選をともに5着とシリーズ前半はリズムに乗れなかった松本秀之介だったが、3日目以降は1、2着。自信回復で地元記念を終えた。
「前半戦は自力で駆けられなかった。もっとしっかり仕掛けられるようにならないと。2日目を終わったあとにセッティングを変えたら良くなりました。A級の時は引いて、カマシかまくりが多かったけど、(最終日は)思ったよりも粘れました」
河合佑弥は一昨年、昨年と2年連続でヤンググランプリに出ている関東期待の先行型だが、自身ももどかしさがあったようだ。しかしながら、同地区の機動型、金子幸央に任された最終日での積極策で変化を感じた。
「最近のなかでは一番ちゃんと踏めていた。これだったら着に入れるっていう感覚があった。最終日にローラーで(体の使い方を)試したら、それで手応えがあった。この1年くらいずっと(別線がまくりに)来やすい先行をしていた。上半身の力が逃げてしまっているような感じだった。それが最終日はなかったです。弱気になってたところもあったし、自転車のせいにしていたところも。次は大宮(15日から)のF1なんで、7車立てになると変わってくるところもある。でも、逃げて自分の感覚をつかみたい」
勝ち星にはつながらなかった石川雅望だが、最終日もガッツあふれるブロックで見せた。近況は上昇カーブを描いているだけに、ここからが踏ん張りどころだろう。
「調子はずっといいんですよね。技術的に足りないところがあるけど、レースでは以前には出せなかったスピードが出せるようにもなってきた。それで余裕も出てきた。最終日は3着だったけど、あれで2着なら合格だって諸橋(愛)さんには言われた。成清(貴之)さんを止めに行くのが余分だったし、やりすぎないようにすることも勉強していかないと」