ピックアップ GⅢ 静岡 02/03
決勝は単騎の選手が3人。郡司浩平、小川真太郎、吉澤純平がそれぞれ2車のラインとなって、人気を集めたのは無傷で優出の郡司だったが、展開的には読みづらいレース。そのなかで果敢に主導権を握ったのは小川だった。前回の高松記念に続いての先行策だが、高松とは数段違う手応えを得た。
「高松(決勝)の倍、踏めた感じがする」
こう笑みを浮かべながら小川は振り返った。高松記念でフレームを換えて、吉と出た。続く今シリーズの静岡記念では、さらにシューズの変更に着手し、それがマッチした。
「(前々回の)奈良で一緒だった小倉(竜二)さんに(その時の自転車は)もうやめろって言われた。自分のなかでは、あれを踏みこなしたいっていうのがあったんですけど、小倉さんの言った通りに(換えて)やったら高松も決勝に乗れたし、今回もいいですね。今回は4日間、自分でやれたんで良かった。(決勝も)郡司さんに褒めてもらえたし、順番が回ってきたら先行して、それでも勝てるかなって思いました」
まくりで2勝をマークして格好はつけた岩本俊介だったが、自身が認めるようにチグハグで、なにかかみ合わない4日間。次回の全日本選抜(G1)に気持ちをスイッチするしかない。
「(今開催は)1日も思うようなレースにならなかった。組み立てで苦しい4日間でした。あんまりにも組み立てにやられた。それで4日間とも力を出し切ることができなかった。お客さんに迷惑を掛けてしまったところもあるけど、G1特有のレースをやる前に、こういうのを経験しておくのも悪くなかった」
昨年12月のレインボーカップ2着でS級に特進した道場晃規は、四日市がオール6着、立川が7着とクラスの壁を痛感させられていた。それだけに一次予選での吉澤純平を退けてまくりでS級初勝利、最終日の逃げ切り勝ちは今後の糧になったことだろう。
「2日目、3日目と内容のないレースだったので、今日(最終日)は主導権を取りたかった。(シリーズを振り返って)地元だったんで気合は入っていた。9車立ては初めてみたいなものでしたが、9車立ての方が走りやすいですね。2勝もできるとは思わなかった。(S級で)2場所走って不安しかなかったけど、後ろの人のサポートもあったおかげで自信もついた。(一次予選で)吉澤さんに勝てたのは自信になりました」
1着の伊藤慶太郎は、平原康多とのセットこそ実現しなかったものの助言を受けて収穫のシリーズとなった。
「先輩方(平原康多、阿部大樹)に乗ってる姿を見てもらって、アドバイスをいただいた。それで自転車を修正して、いい方向にいってるかなっていうのがあります。セッティングを変えたんですけど、自分でわかっていないところがあるんで、言ってもらえるのはありがたいです。S級は1つの油断から後方におかれたりしてしまう。脚力の向上はもちろんだけど、組み立てを最終日みたいに考えてやらないとっていうのをあらためて感じました」