ピックアップ GⅢ 高知 02/26
地元勢は3名が決勝に進出し、気合を見せたシリーズ。宗崎世連は今期からS級に復帰し、直近4カ月の競走得点は92.95。今回が復帰戦となる横山尚則を除いて最も低い得点での参加から決勝で2着となり競輪祭の権利をつかんだ。
決勝進出を決めた時は「地元のG3で(三登誉哲の)番手で、後ろは山形(一気)さんもいて、緊張して、わけがわからなくなっていた。行けるタイミングで前に踏むことだけを考えていた。自分は頑張って付いていって、やれることを精一杯やった。頭が真っ白であんまり覚えていないけど、ラインのおかげで勝ち上がらせてもらった。うれしさというか、興奮してよくわかないけど、G3の決勝は、まさかです。本当にうれしい。(脚は)神ががっていますね。力は120%出ています」と溢れでる喜びを語った。
決勝戦の2着は、「悔しい、というより申し訳ない」という言葉がすべてだった。
「競輪選手として力量のなさを感じましたし、僕にはまだ早すぎるステージだった。殻を破る力はなかったです。ただ、競輪祭の権利は取れた。それは、ひとりで取れたものではないので責任がある。これからそれに見合う選手になるために努力をしないと。認めてもらえるようにやっていくことが与えられた使命だと思っています」。これからの宗崎のレースに注目していきたい。
田尾駿介も今回で初めてG3準決勝の壁を突破。「世連と(佐々木)ノリさんの(先に勝ち上がっていた)プレッシャーで、絶対、自分も上がりたいと、ゴール前は脚が三角になった。気持ちが入り過ぎた。G3の準決勝はチャンスがありがながら、負けている。今回こそはとの気持ちだった」と地元戦でプレッシャーに打ち克った。
迎えた決勝。レースを終えた田尾は「決勝に乗った喜びよりも、悔しさしか残らなかった」と唇を噛む。「今回、決勝に乗れて、いい緊張感で走れたけど、それ以上に決勝のレースが悔しい。周りに認めてもらうためには、(自分より点数下の選手も含め)点数は関係ないと思うし、内容も求めて、心掛けた競走をしていきたい」。
岡崎智哉は、「好調というよりも、課題がクリアできて、力が付いた」。昨年9月の西武園から成績が急上昇。調子がいいのではなく、純粋にパワーアップを遂げていた。「古性(優作)君と一緒に練習をしていて、言われるがままに練習をしている。上で走っていて、あの強さ。いい選手が近くにいるし、わからないことを教えてくれる」。昨年のGP王者で、今年最初のGⅠを制している古性優作のアドバイスで岡崎は躍進した。
しかし、今開催は空回りの連続。「連日、自分のレースではない組み立て。ステップを上げるためのレースをした結果、裏目に出た。特別競輪で、新山(響平)、深谷(知広)の先行選手を相手に今日(最終日)みたいなレースはできない。レパートリーを増やしていかないと。それを学ぼうとしてリズムが崩れて終わった。帰ってから、先輩方とも相談して答え合わせをしていきたい。特別で戦う力もないし、技術もない。選手として中途半端なんです」。上昇志向があるからこそ、モガき、苦しんでいる姿があった。
「特別競輪の権利を取れ始めたので、そこに向けて鍛錬していきたいんです。南(修二)さん、稲川(翔)さんにアドバイスをもらって、練習パートナーの古性君にもいろいろと聞いてきます」。5月に行われる日本選手権競輪の出場権を得た岡崎が、さらに上を目指して戦っていく。
和歌山記念で2勝を挙げる活躍で名前を売った橋本優己。2度目のG3参戦で準決勝までコマを進めた。「地脚なので、自分で立ち上げるよりも、スピードをもらいながら仕掛けていくのが得意。9車は流れや動きができるので思ったよりも走れている」と徐々に手応えをつかみ始めていた。
今後の課題は明確。「4日制だと、3日目、4日目と、疲労が出てくる。A級の時は予選で8割くらいの力で勝てていたけど、S級では予選からずっと本気。うまくケアの仕方を学んでいきたい。自分の強みは位置も取れるし、オールラウンダーだと思っている。総合力を上げていきたい。今年の目標はヤンググランプリに出ること。点数を上げていきたい」と、目標に向けて突き進んでいく。
「大垣の練習で若手が集まってやっています。(山口)拳矢さん、志田(龍星)さんは強いし、もっと高い質の練習ができると思う。全員で強くなっていきたい」。次走、地元の大垣記念での活躍にも期待。