自力型が多く熾烈なV争い
今年のG1第1弾・全日本選抜直後の開催のためS1班中堅クラスが主力。優勝候補は5指に余る大混戦で狙いは絞りにくいが、柔軟性を兼ね備えた自力攻撃で安定した成績を残している金子幸央を本命に推した。昨年は最終戦の12月佐世保記念を優参で締めくくると、今年は1月大宮記念1着、2月大垣2着と連がらみが多い。基本は自力勝負だが、1月大宮記念の一次予選では菊池岳仁の逃げを利して勝っており、メンバー構成次第では番手戦もありそうだ。武田豊樹もここはチャンス。金子をはじめとして同県の朝倉智仁など目標には困らない。1月松戸では坂井洋の逃げを差して4年ぶりの優勝をゲットしていて流れもいい。G1大会7Vの貫録を示すか。
自力攻撃の破壊力なら島川将貴が最上位だろう。やや成績には波があったが、最近はコンスタントに機動力を発揮している。昨年11月小松島で優勝すると、12月広島記念では1着と3連対。今年も1月和歌山記念は予選を1着と快調だったが、準決で落車してその後は2場所欠場した。体調に問題がないようなら、好スパートを決めて主役を演じる場面も大いにあろう。11月小松島の決勝でワンツーを決めている久米良が島川とタッグを組む。
調子がいいのは岡崎智哉だ。今年は2戦目の1月奈良で早々と初Vをゲット。逃げ切り3連発を決めていて競走内容も申し分なかった。その前後の場所も2連対を果たしていて、持ち味の自力攻撃には一段と磨きがかかった印象がある。タイミングよく仕掛けて主導権を握れば勝ち負けに持ち込める。同郷の神田紘輔が岡崎を盛り立てる。位置取り、差し脚ともにしっかりしていて、昨年は2Vを達成。2月佐世保の準決で落車したのは気になるが、岡崎が先制なら首位に躍り出ても不思議ではない。
重戦車を彷彿させる怒涛の先行が魅力な野口裕史も有力な優勝候補の一人だ。昨年は4月西武園記念で4連勝を飾った実績がある。しかしながら後期は決勝での連がらみが無かったように、後半戦はやや低空飛行が続いた。ここは仕掛け早い自力型が多いので、先手を奪えるかが浮沈の鍵となるだろう。この野口を2月取手で撃破し優勝をものにしたのは高橋築。昨年11月松戸でS級初Vを飾ったばかりで、ここのところ乗れている新鋭だ。うまくレースの流れに乗って自力を出せれば好勝負に持ち込める。
岩谷拓磨、林大悟の2枚の積極的な自力型を坂本亮馬が束める福岡勢も侮れない勢力だ。先行基本の競走で昨年は林が24勝、岩谷は26勝を挙げている。林は1月大宮記念2着の走りは力強かったし、岩谷も1月松山準Vの脚勢は悪くなかった。坂本は1月立川記念では最終日に太田竜の逃げを差し切っている。チャンスが巡ってくればものにできる状態にある。好連係を決めて台風の目と化すか。