• 名古屋競輪場開場72周年記念金鯱賞争奪戦3/3〜3/6

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅢ 名古屋 03/03

 S班は古性優、宿口陽が欠場。新田祐に、吉田敏も欠場し、地元地区の浅井康も2日目に失格帰郷となり、今シリーズは松浦悠と清水裕の中国ゴールデンコンビの独壇場かと思われた。だが、眞杉匠は単騎でまくった初日特選から、その両名に一度も先着を許さなかった。準決と、決勝は、清水と松浦のそれぞれから逃げ切っており、力勝負でねじ伏せた。いよいよ本格化を果たした関東の大砲が、目前に迫る地元でのビッグレースでどんな走りを披露するのか。今から楽しみで仕方がない。

大石剣士

大石剣士

 勝ち上がりこそ二次予選までだった大石剣士だが、今節は本来のスピードが戻っていた。初日の1勝を含む3連対を挙げ、最終バックを取った競走は全て2着以内に粘っている。すでにダービーへの出場権を得ている若武者が、復調の大きなきっかけをつかんだようだ。

 「脇本(雄太)さんのような大きなフレームを我慢して使っていたんですよね。でも、自分には合わなかったみたいで。全日本選抜で郡司(浩平)さんにいろいろな話を聞いて、アドバイスも貰いました。それで今回から今まで使っていたフレームに戻してみたんです。やっぱりこっちの方がいいですね。セッティングも前の自転車の時のに戻していく感じで、あとは少し煮詰めるだけ。ダービーでは全日本選抜の時(9939着)の様な成績にはなりたくないし、ここからですね」

大槻寛徳

大槻寛徳

 大槻寛徳は初日の今年初勝利を含む2勝をゲット。昨年12月取手での落車から1月に復帰し、イマイチピリッとしない状況が続いていたが、本来のキレが徐々に戻ってきたようだ。

 「シューズのサンをいじったらかなり良くなりました。今節は自分でも良くなっているし動けていましたね。きっかけはシューズのサンだけど、それと一緒に自分自身の体の調子も上がってきた。でも、前のおかげっていうのも大きいし、特に最終日は(木村)弘が最高のレースをしてくれた」

阿部力也

阿部力也

 決勝で眞杉を的確に援護して準Vの阿部力也。今節はオール2着で、マーク屋としては最高の成績を収めたように思える。ただ、差し脚のキレで勝負するタイプの阿部にとっては、今一歩歯がゆい結果だったとも言えるだろう。

 「悔しいっすね。嬉しいけど悔しい方が大きい。(決勝は眞杉を)絶対抜くと思って意気込んでたけど、昨日(準決)よりも掛かっていた。ゴール前勝負にもならなかった。何もかも足りない。付いていく事はできるけど、後ろの仕事をしっかりしてからゴール前勝負っていうのがまだまだできていない。1月に落車を2回して、そのころに比べれば上出来ですけど。そろそろ頼んでいた新車が来ると思う。しっかり練習して底上げしてきます」

犬伏湧也

犬伏湧也

 最終日には119期による、ルーキーチャンピオンレース『若鷲賞』が行われた。吉田有希の欠場により、養成所成績ナンバーワンの犬伏湧也が注目を一身に集めた。犬伏はその重圧を跳ね除け、まさに圧勝。すでにS級で2Vの実績を誇る四国の超新星が、同期達に力の違いを示した。

 「本当にラインで決まったのが嬉しいですね。後輩が付いてくれて、まくりの形にはなったんですけど3人で決まったので。(この喜びは)師匠(阿竹智史)と大師匠(小倉竜二)に伝えたいですね。あと、練習仲間にも伝えたいです。本当にラインのおかげだと思っている。後ろについてくれた分、前との距離も短くなってくれたので。(次の目標は)やっぱりG1に出たい。まだまだレベルを上げないとですけど頑張っていきたい」

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