モノが違う吉田有
前回生と比べるとS級選手の数は4名と少ないものの、A級の選手も含めてやはりハイレベルな争いだ。だが、現時点では吉田有希の実績が図抜けている。特進するやVラッシュで旋風を巻き起こしている吉田。まだグレード戦の経験は少ないものの、すでにS級トップクラスと実力的に遜色ないことを示したのが2月伊東での完全優勝だった。決勝では遂に新田祐超えを達成。松坂洋に絡まれたとはいえ、ドカしての番手まくりで応戦の新田をまくり切った豪脚は圧巻だった。個の戦いになっても、落ち着いて自分のタイミングで仕掛けられればグングン加速していって他を圧倒してしまおう。
中四国勢はラインを組む可能性もあるが、それぞれ自力で勝負するであろう犬伏湧太、山根将太は打倒吉田の有力候補となる。S級に上がってからの吉田が凄すぎてかすんでしまっている感はあるものの、犬伏も在所ナンバーワンに相応しい走りを見せている。高いトップスピードを生かしたカマシ、まくりは威力満点で、組み立て次第では吉田に十分立ち向かえる。山根は2月小倉の準決で原田研の連勝を止める逃げ切り勝ちとビッグヒットを飛ばした。119期きっての先行型は橋本凌汰の援護で先手奪取に迷いはなさそう。また、いち早くS級に特進して実績を積んでいる上野雅彦も意地を見せたい。
木村佑来、志田龍星、上杉嘉槻も特進こそ果たせていないが、実力的にはS級でいつでも通用する機動型だ。それぞれ気後れすることなく虎視眈々と一発を狙う。