ピックアップ GⅠ 前橋 10/20
8度目のG1優勝で新田祐大が、6冠全制覇のグランドスラムを達成した。今シリーズ出場権がなかった脇本雄太は、すでに5月ダービー、8月オールスターを制して獲得賞金トップを独走中。昨年の地元開催、東京五輪に献身した元日本代表の2人のS班カムバックが決まった。7車立てのF1シリーズにも身を投じて、ファン層の拡大と競輪人気の底上げにも大きく貢献した。ミッドナイトにも参戦した新田は、年末のグランプリで脇本らと激突。G1を16Vの神山雄一郎でさえも成し得ていない“完全グランドスラム”に挑む。
残すところG1もあと1つ。5年連続5度目のグランプリ出場に正念場を迎える清水裕友は、獲得賞金ランク9位(23日現在)。初日の理事長杯を松浦悠士マークから制して、2日目のローズカップでは松浦の白星に貢献する好内容。それだけに準決が悔やまれたが、最終日はまくりで見せて5連覇のかかる次の地元記念につなげた。。
「負けたあとは雑なレースが多かったんで、(最終日は)しっかりと組み立てようと思ってました。(4日間)やることをやれたけど、昨日(3日目)は33バンクで前々にいないとっていう気持ちが裏目に出た。2日目にいい動きができただけに、脚を余して負けたのが…。あれだったら諸橋(愛)さんのところをさばけないと意味がない。キツい戦いが続きますね。(グランプリ出場を決めて)うちわをあおぎながら、気楽に競輪祭を迎えたかった(笑)」
佐藤慎太郎、守澤太志は、獲得賞金でグランプリ出場安全圏を確保。新田祐大を含めて、北日本勢は3人。成田和也も13年以来、久々のグランプリ出場が視界に入る獲得賞金ランク11位。単騎だった最終日は、成田の真骨頂ともいえる立ち回りから、清水裕友のまくりに切り替えて1着。鮮やかすぎる動きは、“第四の男”以上の存在感だった。
「(最終日は)浅井(康太)もジャンくらいだったら一発ありそうだし、前々にと思ってました。タイミング的に浅井のラインにいけそうな感じもあったけど、あおりもありました。そしたら(清水が)すぐに来たんで、ピッタリうまくスイッチできた。(シリーズを通して)調子は良かったし、感覚も良かったけど反省だけですね。すべて日々勉強です。僕はまだまだですよ」
シリーズ初日にデビュー通算400勝の節目を達成した佐藤友和は、最終日に新山響平の先行を利して勝ち星を加算。初日の1着がG1では一昨年8月のオールスター以来と、久々の手ごたえを得ていた。
「(シリーズを通しては)期待以上の結果だった。ここまでの結果を残せるとは思ってなかった。楽しみではあったけど、不安もあった。(自分の感じは)前回とは全然違って良かった。人の自転車に乗っているのかっていうくらい、(セッティングを)変えた。結果、自信が確信に変わりつつある。この方向性でいいんだいうのがわかったのは大きいですね」
初日は特選からスタートした太田竜馬だったが、着で気がつけば最終日は選抜まわり。意地の逃げ切りで力は見せたものの、クセの強い前橋バンクに手を焼いた。
「(最終日も)レースが読めなかったですね。迷ったところもあったけど、集中はしてました。(シリーズを通して)感じは悪くなかった。ただ、(前橋は)1つ失敗で(大きな)ツケとしてまわってくる。裏目に出たら難しいですね。不安定な戦いでした。(次の防府記念は)ここよりもふつう33バンクだと思います。そこを走って競輪祭に向けてですね」