脇本雄が不在で大混戦
今年はダービー、オールスターを含め10Vを達成している脇本雄太が不在。優勝候補は5指に余る大混戦だ。
狙いは絞りにくいが、本命には松浦悠士を推した。松浦は仕掛けどころを逃がさない抜群な競走センスと豊かなスピードを武器に、今年も高いレベルの成績を残している。ビッグレースでは昨年に続きサマーナイトを連覇、全日本選抜、ウィナーズカップ、オールスターはいずれも準V。G3は4Vを飾っていて、獲得賞金ランキングは第2位に付けている。盟友の清水裕友や連係実績が豊富な太田竜馬と中四国ラインを形成して勝機を見い出す。太田も今年は年頭から快調なペースで飛ばしている。全日本選抜、ウィナーズカップと続けて優参した後はビッグ決勝には乗れていないものの、準決にコマを進めているし、F1戦では6Vを挙げている。好機に仕掛けて快速を発揮ならSS班撃破の場面もあろう。
勢いある郡司浩平を重視する手もある。共同通信社杯を無傷の4連勝で制覇すると、続く10月熊本記念in久留米は❶着と連覇している。スピードの切れが際立っていて、昨年の全日本選抜以来となるG1優勝も十分に狙える状態だ。好発進を決めて首位に躍り出るか。最近の和田真久留は郡司と連係が多い。9月青森記念の初日特選、準決はいずれも郡司を交わしてのワンツー、共同通信社杯の準決は郡司のまくりに続いて2着。ただ、共同通信社杯の決勝で落車しており、体調には一抹の不安が残る。
今年のG1は古性優作が全日本選抜、高松宮記念杯、そして脇本がダービー、オールスターを制覇していて、すべて近畿勢が優勝をさらっている。古性は共同通信社杯の準決で落車し、以後は欠場しているため調子は判断できないが、有力な優勝候補のひとりであるのは間違いない。G1の4大会の準決をすべて1着でクリアしていて、とにかく勝負強い。初日の動きには注目しておきたい。
昨年のチャンピオン平原康多も共同通信社杯の決勝で落車(再入7着)している。8月富山記念❷着、9月岐阜記念❷着、共同通信社杯は3連勝で優参と力強い走りを披露していたので、落車の影響がないようなら大会連覇も大いにありそうだ。関東には吉田拓矢、眞杉匠ら頼りになる自力型もそろっている。
北日本勢も戦力は整っている。佐藤慎太郎、守澤太志の2名のSS班に新田祐大、成田和也、新山響平。自力型、追い込み型のどちらもそろっているので、好連係を決めてレースを掌握できれば、北日本勢から優勝者が出ても不思議ではない。
九州勢も忘れてはならない。荒井崇博、山田庸平はG1戦線で存在感を示していて、今年の獲得賞金ランキングは荒井が第12位、山田は9位に付けている。山崎賢人は競技中心の日程のため本業の競輪参戦は少ないが、非凡なスピードを随所で披露している。