ピックアップ GⅢ 四日市 11/10
先行とまくりを使い分けてシリーズ3度の確定番入りを果たした高橋築。前回の京王閣記念では決勝には勝ち上がれたものの、自力を出す機会が巡って来なかった。今シリーズは初日から自力で動く番組となり「前回は前の自力選手のおかげで番手や3番手を回っての結果だったので、今回はしっかりと見せられたらなって思っていたので」と初日からアグレッシブな立ち回りで存在感をアピールした。近況は逃げの決まり手が減ってきていたが、2、3日目と積極策を敢行。明確な課題を掲げて自身のスタイル確立を目指している。「去年もここを走らせてもらってその時も二次予選で古性(優作)さんと対戦してその時は先行できたけど、9着で全然ダメだった。今回は先行してまくられたけど6着。思ったよりも自分の中でいけた感触があったし、自分の中ではこの1年で成長したなって感じました」とS班に屈して二次予選敗退ながらも前を向いている。
「誰かを目標にっていうのはないんですけど、まんべんなく決まり手が付けられるようにとは思っているので、先行でもまくりでも戦えるようにって。あとはどの(ラインの先頭でも番手、3番手でも)位置を回っても対応できるようになれればって思っています。来期は1班。この流れで今年を終えて良い状態で1班を迎えたい」
今年も残すところ2カ月を切っている。来年をさらなる飛躍の年にするためにも、一日たりとも無駄にはしない。
復調を実感する貴志修己の反撃がようやく始まった。今期から定期昇級でS級格付けされたが、2場所目の岸和田G3で落車のアクシデントに見舞われ、スタートダッシュにこそ失敗。しかしながら、ようやく体と自転車がマッチして急復調を遂げている。
「右の肋軟骨を骨折して良くなかったんですけど、体の感じも良くなってきました。落車した時にフレームも壊れてしまってかみ合っていなかったんですけど、ようやく新車がきて前回の福井から換えたら感触が良くなりましたね。先行にこだわってやってきて、今回初めてグレードレースで1着を取れたので。上を目指していくなら2日目みたいな競走じゃなく、最終日みたいに強い相手を後方に置いて先行で勝負して結果を出していきたい」。寺崎浩平や町田太我ら先にG1戦線で活躍中の同期の背中を追い掛けて、さらに高いステージを目指している。
「今年の目標はまずはしっかりS級点を確保すること。来年はもっと上で勝負できるようになりたいので。このあとすぐ地区プロがあるんですけど、そこでしっかり優勝を狙いたい。去年も1kmTTに出て優勝しているんですけど、去年よりもタイムは良くなっているので。今年も地区プロを頑張って去年は中止になってしまった全プロに今年こそ出て3着以内に入れるように。それがG1への道で近いと思っているので」
これまでの遅れを取り戻すかのように、かみ合い始めた歯車が動き出す。
近況の伊藤裕貴は何をしても思うように結果を出せない日々が続き、精神的にも苦しい時期に迎えた地元記念。「今の自分は柴崎(淳)さんの前で、(谷口遼平の)番手を回れるような成績でも状態でもなかったんですけど、前を回らせていただいたので頑張らないとなって」と最終日の負け戦ながら練習仲間の3人での連係が、現状を見つめ直すきっかけに。
「3日目も前の選手が頑張ってくれたのに、連にも絡めなくて…。最近は自分でもうまくレースでも運べていなかったですし、戦法にも迷いがでていて、気持ちが競輪から遠ざかってしまっていましたね。今はS級に上がってから点数も一番ないんですけど、でもこのままじゃ終われなって。いいとは言えない状態でもこうやって地元記念を走らせてもらったおがげで、もう一度自分を見つめ直すいい機会になりました。来年の地元記念も呼んでもらえるように頑張ります」
練習仲間の後輩と先輩に刺激を受けて再起を誓う。
今年の9月で50歳を迎えた大ベテランの志智俊夫だが、競輪に対するひたむきな姿勢はブレない。「自転車が好きだからね」と笑って話す。年齢を重ねても、探求心は決して衰えることはない。
「去年から今年にかけて7、8カ月くらい1着が取れてなくて苦しい時期もあったんですけど、今年の3月に四日市にきた時に自転車に乗るポジションを換えたら良くなった。ここは良くなるきっかけになったバンク。最近新しいシューズに変えたらまた良くなりましたね」
今シリーズは二次予選で敗退してしまったが、初日に続き最終日にも鋭い決め脚を発揮して今期13勝目を手にした。7月から12月までが選考期間となる来年のウィナーズカップの特選シード権の獲得も視野に入れる。
「感覚も脚自体も悪くないんで、あとはその場その場の対応力ですね。今回もそこそこやれたので競輪祭も楽しみですね。競輪祭でも1回でも多く勝てるように頑張りたい」