自在戦が冴え渡る古性優
今年はG1戦線で圧倒的な輝きを放っている古性優作。全日本選抜、高松宮記念杯と2Vを達成しているのはもちろん、5大会のすべてで準決を1着でクリアしているのは特筆もの。寬仁親王牌の決勝は、5着ながら稲川翔を連れて逃げてゴール前まで粘っていて、レース内容は申し分なかった。まだG3でVがないのは不思議なぐらいだが、1月高松記念、4月平塚記念、7月福井記念は4日間オール連対の準V。成績が悪いわけではない。Vに最も近い存在とみて中心視。
対照的に平原康多はG3で4Vを飾っている。今年は勝率が53・7%と高く、勝ち星が多い印象だ。直近の3場所も9月岐阜記念❷着、共同通信社杯❼着、寬仁親王牌❻着と勝ち星ラッシュ。ここは宿口陽一、坂井洋ら前を任せられる関東の自力型がそろっていて条件もいい。坂井とは寬仁親王牌の準決で連係したばかり。積極的に駆けた坂井を利した平原がきっちり勝っている。坂井も寬仁親王牌の動きは申し分なかった。準決で山崎賢を強引に叩き切ったスピードは素晴らしかったし、二次予選Bでは太田竜らを相手に逃げ切った。昨年は古性、浅井康太を撃破し記念初Vを達成したゲンのいい大会でもある。連覇に向けて視界は良好。
地元のエースはもちろん浅井だ。この大会では圧倒的な存在感を示していて、62、63、64周年を3連覇すると、67周年も制して4Vの実績がある。10月松阪記念の決勝で落車し、寬仁親王牌は出場が危ぶまれていたが、驚異の回復力を見せて着。惜しくも優出は成らなかったものの、戦える状態だった。更に良化が見込めるだけに、大会5V目をゲットする場面も大いにあろう。柴崎淳もこの大会では素晴らしい成績を残していて、57、58、68周年と3Vを飾っている。今期はF1戦の出走が多く、Gレースではあまり目立つ戦績は残していないが、7月と9月に松阪で優勝していて地元戦では大活躍。優勝争いに絡んできそうだ。坂口晃輔もまずまずの近況だ。9月小倉では優勝した浅井に続いて準V、三重ワンツーを決めている。地元勢がレースを掌握なら連に浮上してこよう。
守澤太志、小松崎大地の北日本勢は、寬仁親王牌ではともに決勝進出。特に守澤は最終バックどん尻からまくり上げて、優勝した新田祐に4分の1輪まで肉薄した脚勢は素晴らしかった。小松崎も今年は充実していて、高松宮記念杯、オールスター、寬仁親王牌とG1大会で3連続優出を果たしている。小松崎が好スパートしての北日本勢で連独占は考えておきたい。
ダークホースは北津留翼だろう。今年は6月久留米記念を含め4Vを飾っていて、仕掛けがはまった時の自力攻撃は破壊力抜群だ。同県同期の小川勇介が北津留とタッグを組む。
松井宏佑、小原太樹の神奈川勢の動向にも注意したい。