ピックアップ GⅢ 伊東 02/16
全日本選抜組が不在の協賛競輪。決勝戦には117期から3名が勝ち進んだ。同期対決は見応えがあったが、軍配は山口拳矢に上がった。出世争いを一歩リードする山口に対して、同期の面々がこれからどうやってその差を埋めていくのか。若者たちの争いは激しさを増していく。
板垣昴は持ち前のダッシュを武器にA級で白星を量産してS級に定期昇級。ここまでのS級戦も全く戦えていないわけではなかった。が、今節は4日目にしてやっと連対。9車立て、そしてグレードレースのスピード感。本当の戦いはこれからだろう。
「連日、何もできないレースだったので今日(最終日)はしっかり走ろうと。昨日も行ったは行ったけど、自分のタイミングではなくて。今日は自分のタイミングで行けたし、先行を絶対しようと思っていた。ラインで決まってよかったです。今回が初の9車で初の記念。初日から3日目まではだめだったので、次は内容にもこだわってしっかりと動いていきたい。そこには新車で行く予定です。自分はダッシュ系なのでスピードに乗せて伸びていくような自転車です。今期からS級ですけど、A級とは誘導の速さも違うし、レースが違うので戦えるように頑張っていきたい」
武田亮は2月岸和田で3日間しんがり負け。それが今節は2勝を含む3連対と、まさに別人の活躍ぶり。まくりに比重を置いた新フレームがマッチしたようだが、それに甘える訳にはいかない。先を見据えて、苦しい道を選択する。
「今回のフレームは練習では使ってるやるなんですよね。練習では併走とかもやるので、併走に対応できるようなフレーム。でも、それだとフォームが小さくなっちゃうんですよね。いつも使ってるやつは、これよりも大きめなんです。やっぱり先行するにはその方が良いので。このフレームで結果は良かったけど、まだレースで使うのはちょっと違うかな。暖かくなったらまた使うけど、それまではいつも使ってる大きめのフレームでやっていくつもりです」
鈴木浩太は白星こそ最終日の1勝止まりだったが、その1勝が強烈なインパクト。後続を付きバテさせるほどの掛かりだった。連日先行した結果が、最終日に現れた。
「(最終日は)力勝ちした感じですかね(笑)。今回は戦える感じがあったし、やりたいことができた。4回バックを取れましたしね。二次予選だけが悔しかった。自分の判断ミスでした。今回は決勝に行きたかったし、行く気満々だった。悔しいですね。G1組がいなかったし、そこで勝てるようにならないと。トップスピードを上げていきたいし、その為の筋力を上げていきたい。F1戦で決勝に行けていないけど、自分の番手の人は決勝に行ってる。ちゃんとワンツーが決まるようになれば自分も決勝に行けるようになる。今期にでも優勝したいし、なにかが噛み合えばって感じはしてます」
今節の畑段嵐士の動きはピカイチだった。二次予選は山口拳矢と連係せずに、単騎戦を決意。最終日も稲毛健太の前回りを志願して、縦横無尽な立ち回りから1着でシリーズを締めた。
「出させてから仕掛けることも考えていたけど、空いていたので、一番前まで行くかも悩んだくらい。稲毛さんにも付いてもらっているし、今日(最終日)の走りは最低限やらないと。4日間になると、まだ体力もきつくなりますね。準決勝でそれも感じた。追い込みではないし、近畿で連係する時も、後輩には付けるけど、先輩の後ろは回りづらさがある。基本的には自力をつけていかないと。それで、何でもやる競走ですね。次は地元だし、優勝したいですね」