山口拳を指名も混とん
全日本選抜に参戦する選手は不在。実力横一線のV争いで狙いは絞りにくいが、戦歴は山口拳矢がリードしている。昨年のヤンググランプリは優勝には手が届かなかったものの、的確なコース選択と鋭い伸びを披露して3着。競走内容は悪くなかった。F1戦では4Vを達成しており、底力は今シリーズ最上位。1月豊橋記念では❼着と決勝に乗っていて、最近の調子も良好だ。一昨年に共同通信社杯を制しているものの、G3の優勝はまだない。好位置をキープしてのまくりでG3初Vをゲットするとみた。山口泰生が山口拳に続き岐阜ワンツーを狙う。
稲毛健太、石塚輪太郎の和歌山コンビも好勝負が期待できる。最近の石塚はスピードに磨きがかかった感があり、12月広島記念1❺着、1月和歌山記念1着など、G3で存在感を示している。稲毛も12月高松記念1❾着、1月和歌山記念は予選を1、2着で準決にコマを進めていて動き軽快。前で戦う石塚が好スパートを決めれば、和歌山コンビで連独占もありうる。
十八番のまくりには素晴らしい破壊力がある隅田洋介の単にも食指が動く。昨年は寬仁親王牌、競輪祭ではいずれも一次予選、最終日に2着と好走。今年も1月別府の初日特選では、豪快なまくりを決めて浅井康、山田久、井上昌らの強豪を撃破した。仕掛けがツボにはまれば首位に躍り出る場面も考えられる。中四国スジでしぶとい池田憲昭が隅田をマークか。
地元地区の南関勢では松坂洋平、青野将大の神奈川コンビに魅力を感じる。今年は初戦の1月宇都宮で落車した松坂ながら、同月小倉は4着。予選は目標にした長田龍がまくり不発で共倒れに終わったものの、2日目から連勝していて調子に問題はなかった。青野が主導権を握れば絶好のVチャンスが巡ってくる。その青野は昨年10月弥彦でS級初Vをゲット。ヤンググランプリチャンプ・菊池岳の逃げをまくりで仕留めた。航続距離が長いのが長所ながらまくりも力強い。1月和歌山記念は予選を2、2着で準決に進出していて調子も申し分ない。
先陣を受け持つ阿部将大を松岡貴久、柳詰正宏が盛り立てる九州勢も侮れない。順調さを欠いた昨年の後期は優参がなかった阿部だが、今年は1月高松、同月別府で決勝進出。徐々に調子が上向いてきた印象だ。長い距離を踏める粘り強い先行が持ち味で、先手を奪えば簡単にはまくらせない。松岡にとって当所は66周年大会で記念初Vを達成したゲンのいいバンク。1月立川記念2着、同月広島2❸着など近況も良く、単の伏兵として注意したい。
山岸佳太、高橋築、恩田淳平と動けるタイプがそろった関東勢。先頭で戦うのは高橋か。高橋は自力基本の自在戦が冴えていて、12月高松記念は予選を2、1着、1月立川記念では予選を1、2着で準決にコマを進めた。好位確保から自力を出せれば怖い。