ピックアップ GⅢ 大垣 06/03
連日、インパクト大の走りを披露していた犬伏湧也。「タイミングが合わなかったのもあるけど、自分の体調が万全でもどうだったか…。悔しいですね」とは、準決で犬伏のダッシュに置いていかれた松浦悠士。それだけに人気集中の決勝だったが、雨のバンクコンディションも影響したのか、犬伏はそれまでのエンジンが鳴りをひそめて不発。単騎ながらもワンチャンスにかけた浅井康太が、さすがの勝負センスでV奪取。層の薄い中部勢のなかでどう戦うべきかの手本を示した。
十八番の舞台の9車立てながら、リズムを崩していた園田匠は、G1を含めて今年5度目のG戦線で初めて準決に進んだ。余勢を駆って3連勝で優出。4カ月以上の欠場を余儀なくされた盟友、北津留翼の復帰も、起爆剤の1つになった。
「ずっと練習はやってたし、いままでが極端に悪かった。やっといままで通りになった。(3月の)あっ旋停止中に違う練習とかを試して、それが全部裏目に出た。やっぱり泥臭い練習がじゃないと。トレーニングは全部元に戻しました。(北津留)翼が帰ってきたんで、自分にもスイッチが入りました」
シリーズ3勝をマークした渡邉雄太。特筆すべきは、最終日の圧巻の逃走劇だろう。山田久徳、雨谷一樹、伊藤旭、石井洋輝と機動タイプをすべて粉砕した。「(渡邉)雄太は練習でもだいぶ強くなっている。深谷(知広)のおかげだと思います」とは、岡村潤。深谷効果で長い距離もいとわない仕掛けが目を引いた。
「(1周半以上を踏んだ最終日は)ヤバくてゴール前はいっぱいでした。まだ、あれで(最終)4コーナーから、もう1回踏めないとっていうのがある。(さらに上のレベルで)先行でってなったら、そうならないとダメですね。(次の高松宮記念杯は)このままの状態でいければ、いいと思います」
今期初のS級の木村佑来は、3度目のG3を着。先行策がかなわなかった初日のシンガリ以降は、3走すべて主導権を握りレースを支配。最終日にワンツーの新山将史からは「付いていてG1級のスピード感でしたね」と、言わしめたほど。今期も少しでも競走得点を上げて、S級点キープにかけたいところだ。すでに決まっているものの、来期A級陥落はもったいない。
「(3日目は、最終)ホームで脚は残ってた。1着に残れて良かった。悪い感じじゃないけど、後半タレちゃうんで我慢できるように、もっと練習が必要ですね。(最終日も)あの距離でも踏み切れるようにならないと。(S級点に)もうちょっと点数を上げたいけど、小さい競走はしてもっていうのがあります」
最終日こそ力の違いで別線をねじ伏せて勝ち星を挙げた鈴木浩太だが、型にハマらなかった時の脆さを露呈するシーンも見受けられる。そこが現状の課題になっている。
「押さえ先行以外、位置を取ってのまくりとかレパートリーを増やしていかないと。最終日にしても組み立てが甘かった。ラインで決まらなかったのは、それもあると思う。(まだ9車立てがあまり得意ではないって)そう言ったら言い訳になってしまう。いまは競走得点がどうかとか気にしてないし、成長段階だと思っている。(いろんな展開で)自分の競走がしっかりとできるようにならないと」